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2017/1/14 館長連続講座(第4回)が行われました。

 阿刀田館長が、館長連続講座「やさしく、楽しい源氏物語」の第4回講義を行いました。第4回のテーマは、『玉鬘物語として読む』でした。

 講義では、「玉鬘」の物語が貴種流離譚であることについて話しました。玉鬘は、源氏が関係を持った亡き夕顔の娘であり、父親は源氏の友人の頭中将でした。夕顔亡きあと、乳母とともに九州の地で美しく育った玉鬘は、地方豪族たちに求められますが、やっとの思いで京へ帰り着き、源氏に養育されることとなります。九州から京への物語や、その後、髭黒の妻となることを挙げ、玉鬘の苦労の多い人生について語りました。

話をする館長の様子

(話をする館長の様子)

 また、現代小説的な要素のひとつとして、登場する女性が個性をもってそれぞれ描かれていることを挙げ、7・5・3で分類できると話しました。 7は、源氏が深い関わりを持った①藤壷、②葵上、③六条御息所、④紫の上、⑤朧月夜、⑥明石の君、⑦女三の宮。 5は、源氏と短い関わりを持った①空蝉、②軒端荻、③夕顔、④末摘花、⑤花散里。 3は、とうとう源氏と深い関係にならなかった①朝顔、②秋好中宮、③玉鬘。

会場の様子(会場の様子)