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2016/12/10 館長連続講座(第3回)が行われました。

 阿刀田館長が、館長連続講座「やさしく、楽しい源氏物語」の第3回講義を行いました。第3回のテーマは、『貴種流離譚とは』でした。

話をする館長の様子

(話をする館長の様子)

 講義では、「予言の実現」、「因果応報」、「勧善懲悪」、また折口信夫が展開した「マレビト」のほか、「貴種流離譚」など、物語のパターンについて話しました。  源氏物語における物語のパターンとしては、源氏が須磨に下り、再び京へ戻って栄光を掴むという「貴種流離譚」や、高麗の占い師の予言のとおり準天皇の立場となるなど「予言の実現」、藤壷と通じて不義の子を成した源氏が、正妻の女三の宮と柏木との間に生まれた子(薫)を養育することとなる「因果応報」などが盛り込まれていると話しました。

 また、心情として、社会生活として、当時の「男性」への憧れについて語り、特に宮中などエリート階級の女性は、男性のふるまいに身をゆだねるより仕方なく、人生の無常観が常に精神の上にあったと話しました。

会場の様子

(会場の様子)