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2016/2/13 館長連続講座(第5回)が行われました。

 阿刀田館長が館長連続講座「短編小説の楽しみ、今でしょ」の第5回講義を行いました。今回の講義では、井上ひさしの作品「あくる朝の蝉」を取り上げました。

(会場の様子)

 阿刀田館長は井上ひさしとの出会いは国立国会図書館勤務時代までさかのぼること、井上ひさしがペンクラブの会長だったころに阿刀田館長が4年間補佐役を務めたことなどを通して信頼関係を築いてきたことを話しました。また、原稿が遅く、舞台の幕が開かないことが生涯で10回あったことに触れ、周囲への配慮が出来る人だったが、なぜ原稿を落とすのかが不思議だったと語りました。

(話をする館長の様子)

 井上ひさしの作品について阿刀田館長は、人物のリアリティを演じる役者に委ねる部分が大きい戯曲のように、人物をパターンで書くようなところがないわけではないが、今回取り上げた「あくる朝の蝉」では、人物がパターンではなく生身の人間として描かれていると評しました。