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2017/3/11 館長連続講座(第6回)が行われました。

 阿刀田館長が、館長連続講座「やさしく、楽しい源氏物語」の第6回講義を行いました。第6回のテーマは、『まとめと宇治十帖、紫式部についても』でした。
 
 館長は、宇治十帖は「源氏物語」の中でも特に優れていると評価し、源氏が登場する本編を書き上げた紫式部が、小説とは何かを改めて考え、文学的な情熱をもって作り上げたのではないかと語りました。
 
 また、男女のこと描く「源氏物語」において、男性のふるまいに身をゆだねるしかない女性の無常が描かれるだけではなく、精神的な男女のつながりを築くことができるのではないかという女性のロジックが平安期に珍しく描かれていると話しました。

話をする館長の様子
(話をする館長の様子)
 
 また、作者の紫式部について話しました。紫式部は、藤原家の中でも学者系の家に生まれました。藤原道長は、紫式部の知力を大いに評価し、「源氏物語」を書くにあたっての援助を行いました。紫式部も道長の政治家として、男としての手腕、魅力を認めていましたが、学術的な側面から、齟齬があったのではと語りました。
 
会場の様子
(会場の様子)
 
 今回が、今年度最後の館長連続講座でした。出席回数を満たした受講者には、修了証書が配布されました。