阿刀田館長が、館長連続講座「短編小説の楽しみ」の第2回講義を行いました。
今回の講義では向田邦子の作品「春が来た」を取り上げました。
(会場の様子)
阿刀田館長は、向田邦子について、テレビから出た人で人の心をつかむのがうまく、小説家としてデビューする前から熱狂的なファンがいた作家であったと語りました。また、比喩の巧みな作家であり、向田作品が比喩使用の上限といえるとも話しました。
(講義をする館長の様子)
小説におけるモチーフとは、「この小説、何が言いたいのか」の"何が"にあたるものだとし、向田作品は「庶民の生活はこんなものだが、それでもひとそれぞれの思いがある」ということをモチーフにしており、よくある日常の話題を取り上げているが視点がユニークである、と評しました。