11月11日(火)、やまなし読書活動促進事業セカンドステージとして、数学者で作家、お茶の水女子大学名誉教授の藤原正彦氏の講演「祖国とは国語」が行われ、阿刀田館長が講演後のトークセッションに登壇しました。
(講演をする藤原氏の様子)
講演で藤原氏は、現在の初等教育における英語重視の方針についてユーモアを交えつつ歯切れよい言葉で批判し、国語こそ教育の基礎、国語を学び、語彙を増やすことが教養を高めることで、それには読書が欠かせないと強調されました。
また、「祖国」とは領土でも民族でもなく国語(母国語)のことで、その中には固有の文化や伝統が生きており、グローバリズムが主流となっている今こそ、祖国を意識し、ローカリズムを見直すべきであるとのお話もありました。
(会場の様子)
続くトークセッションでは、館長の質問に答える形で、藤原氏から、ご自身が大学で行っていた読書ゼミのお話がありました。学生に書かせた文章のどこか良い点を見つけて必ずほめる、そうすることで学生は変わってきたとの体験談は、館長にとっても大変興味深いもので、「素晴らしい実践」との感想を述べ、直木賞受賞の際、藤原氏の父、新田次郎氏からほめてもらったことが意外で、うれしかったとの思い出も語りました。
(トークセッションの様子)