阿刀田館長が、館長連続講座「短編小説の楽しみ」の第5回講義を行いました。
今回の講義では谷崎潤一郎の作品「お艶殺し」を取り上げました。
(会場の様子)
阿刀田館長は、谷崎潤一郎について、広範な知識、豊かで抒情性溢れる文章はだれもが高く評価しており、作風にもいろいろな変化が見られる。ときには"思想なき芸術家"などと評されることもあったが、日本文学を代表するユニークな作家であることは確かである、と語りました。
(話をする館長の様子)
また、谷崎の作品の特徴として「女を支配したと思ったところが、最終的には女に支配される男」という形があることを挙げ、今回取り上げた「お艶殺し」について、初期の作品で代表作ではなく、名作とは評しがたいところもあるが、谷崎の特徴をナイーブに示していておもしろい作品である、と評しました。