ビール(びーる)


ビール醸造開業広告
(びーるじょうぞうかいぎょうこうこく)

ビール醸造開業広告(0400137220-001)

　野口正章（のぐちまさあきら）が開業したビール醸造所の広告です。野口正章は山梨県で最初にビール製造を試みた人として知られています。野口正章は、もともと甲府柳町で十一屋という清酒醸造業を営んでいましたが、当時英国から輸入されていたバースビールの影響をうけてビール醸造に手を染めることになったといわれます。彼は、明治７年(１８７４)、政府の許可を得てビール製造を開始しました。これが三ツ鱗ビール（みつうろこびーる）です。この広告には残念ながら、年号が入っていないため何年のものかわかりませんが、明治８年３月１６日付けの東京日日新聞に三ツ鱗ビール発売の広告が掲載されていることから、おそらくそのころのものではないかと考えられます。当時のビールの価格がはっきりとわかる興味深い資料です。なお、ちなみに、この野口正章のもとに嫁いだのが、女流画家として知られる野口小蘋（のぐちしょうひん）です。


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