紙漉き図 (かみすきず) 〈並山日記 4〉 紙漉き図(かみすきず) ・紙漉き(文) 〈甲斐叢記 2〉 甲斐国における和紙の生産は、富士川の下流、河内領(かわうちりょう)と呼ばれた現在の西八代郡と南巨摩郡一帯で盛んに行われました。その伝統は今でも引き継がれ、市川和紙(市川大門町)、西島和紙(中富町)という全国に知られた名称の和紙の生産が続けられています。このふたつの紙漉き図は、『甲斐叢記』と『並山日記』に載っているもので、山間の村で紙を漉き、天日干しにしている様子がよく伺われます。『並山日記』は、江戸の国学者であった黒川春村が絵師を伴って甲斐を訪れて各地を見て回った様子を丹念に書き誌した紀行文で、甲州文庫中のものは、功刀亀内氏が自ら書き写した資料として知られています。 |