刻煙草包装(きざみたばこほうそう) たばこは、甲州の代表的な物産として国内の各地で栽培されました。とくに、甲府盆地の西部、西郡(にしごおり)といわれる地域では盛んで、なかでも竜王村(竜王町)のたばこは、名品として知られていました。甲州文庫の中の「諸色相場書留(しょしきそうばかきとめ)」という資料には甲斐国内産のたばこが品質別に分けて記載されています。 それによると、薬袋村(みないむら・早川町)、和田村、小松村、塚原村、峰本村(甲府市)産のものは比較的品が良く、一方萩原村、千野村(塩山市)のものは、ヤニが強いのが特徴だったといわれます。 この包装箱は、明治20年代のものと推測されますが、産地の村名が入っているなどして大変珍しい資料となっています。 |