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2019/09/22 館長連続講座(第1回)を開催しました

 9月22日に館長連続講座「寺子屋ことば学」の第1回講義を行いました。
 ※館長連続講座「寺子屋ことば学」第2回・第6回は休講となりました。


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(話をする館長の様子)
  

 館長は、最近テレビなどで耳にする「スピード感」という言葉について、"感"という言葉が気になると語り、童謡の「汽車ポッポ」で歌われている「畑もとぶとぶ 家もとぶ」のように、汽車に乗っている子どもが"汽車は速いな、スピードがあるな"と感じるのがスピード感であり、自らが動いて何かしなければいけない場合に使うものではないと話しました。使うとしたら「ただちにやります」、「すみやかに行います」などと言うべきではないかと指摘しました。

 また「肉々しい」「芋々しい」という言葉も気になると語り、牛肉のうまみや硬さなどの表現としてわかるような気もするが、「魚々しい」「桃々しい」などとは言わないと話し、今までうまく言えなかった独特な「肉っぽさ」を表現できるため、新しく出てきた言葉なのではないかと語りました。オノマトペや擬音語、擬態語に近い言葉であるため初めて聞いた言葉でもすんなり入ってくるのではないか、今後もそういった言葉は出てくるのではないかと指摘しました。


 そして軽減税率に伴う、「中食(なかしょく)」について。「外食(がいしょく)」は2字とも音読み+音読みであるのに対し、中食は訓読み+音読みであるため、湯桶読みという本来はしない表現であると語り、「中食(ちゅうしょく)」としてしまうと、「昼食(ちゅうしょく)」と間違ってしまうからではないかと言い、お弁当のようなものを買ってきて家で食べる言葉として1980年代にはすでに使われていたようだと話しました。


0922kancho02.JPG(会場の様子)