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2019/7/12 県立甲府南高校で出張トークを行いました

 令和元年7月12日(金)、県立甲府南高校で出張トークを行いました。1年生約240名の生徒を前に、「日本語のしくみ」と題して講演を行いました。皆さん元気で教室は終始熱気に溢れていました。館長は、生徒一人ひとりに問いかけながら話しを進めていきました。
 最初に、この学校は「スーパーサイエンスハイスクール」の指定校と聞いているが、国語は好きか、文法は何を習ったかなどを尋ねました。



話をする館長の様子(話をする館長の様子)
  

 自分も実は国語より数学の方が好きだった。日本語の文法には「活用形」、「未然形」、「連用形」、「連体形」などあるが、皆さんは解らないときには質問をするか。質問をされると自信のない先生は怖いと感じる。自分が父親に「文節」のことを聞いたら、「文節」は勉強しなくていいと言われ、それ以来、文法のことは勉強しなくなった。

 後に、イラン、アフガニスタンなどの外国に行きたいと思い、日本語の教師になるために勉強した。その時に改めて文法の授業を聞いたら結構面白かった。

 皆さんは、小さい時から日本語をしゃべっているが、なぜそうなるのかと言われると解らないことがある。例えば、「これ」、「それ」、「あれ」の違いはなにか。単純に距離の違いではない。自分の領域、相手の領域、当事者の領域が関係する。こういう理屈を考えるのが文法である。また、「ある」と「いる」の違いを説明する、考えることなどが文法である。

 今では、記憶するという勉強は終わっている。なぜならインターネットがあるから。知識量ではITに負けるが、考えることではまだ勝てる。こういう考えることが能力である。自分であれこれ考えることは面白いが、覚えることは面白くない。

 英語には人称変化があり、日本語にはないと言われているが、実は日本語にもある。例えば「私は信玄餅が食べたいです」と言うが、「あなたor彼は信玄餅が食べたいです」ではなんとなくしっくり来ない。正しく言うには「食べたそうです」などとなる。いつの間にか人称変化をしている。また、「知っていますか」に対して「知っていません」とは言わないで「知りません」が普通の言い方。このあたりが解ってくるとそれこそ専門家になれる。自分の頭の中に答えが入っていて、必死になって頭の中を探してクリアにする、これが文法を勉強、研究する面白さである。

 「イヌ」と「ネコ」はどちらが先か、「右」「左」はどうか。「西、東」というが「東西」とも言う。日本語は謎に満ちている。これを面白いと思う人は日本語教師になってもらいたい。

 日本だけにいると考え方は狭くなる。外国の人と話すと、もっと違う世界があることが分かる。これは日本語教師の楽しさの一つである。せっかく生まれてきたのだから、いろいろな人に会っていろいろなところに行きたいと思う。狭いところにいるとそれだけで満足してしまう。

 日本語だけで考えているとつまらない。日本だけで暮らしていると面白くない。いろいろな生き方がある。悩んでいる時、いろいろな生き方を知っていれば、いい解決策が見つかる。

 自分は、ほとんど高校には行かなかった。朝のホームルームの時だけいて、後は抜け出して本屋に行って本を買い、喫茶店で本を読んで午後3時頃学校に帰ってくる。修学旅行も文化祭にも行かなかった。高校時代の友達は一人もいない。変わり者であることを誇りたい。変人と言われて喜んでいた。そういう風にして暮らしていたので皆さんには、自分の好きなこと、楽しいことを見つけて自分で考えることができるようになってもらいたい。自分で判断できる頭脳を持っているのだから、外から押しつけられ、よく考えずにそれと同じことをしてはいけない。

 例えば、温暖化問題にしても、温暖化することはいいことではないかと思う。温暖化すると穀物がよく穫れるようになるし、海面も2100年に50cm上昇するだけである。議論をしないで唯々反対、二酸化炭素を減らせと言う。いつか騙されてとんでもない戦争をしたように。皆さんには80年も時間があるのだから、答えを考えてもらい未来に希望を持たせてもらいたい。期待している。

 





会場の様子
(会場の様子)
 最後に生徒から質問が出ました。「日本語は一番難しい言語だと言われるがどう思うか。温暖化以外の国際問題で例えば、日本と韓国との関係などはどう思うか。疑うことを習慣づけるメリットがよく分からない。疑っていていいことがあるのかなと思う。」など。 それに対して館長は、「日本語はかなり易しい言語だと思っている。ただ、話すことに関しては易しいが、読んで書くことはすごく難しい。ニュースで報道されていることが本当かどうか、教師が言ったことが本当かどうか考えた方がいい。自分で一度ひっくり返して考える習慣を身につけてもらいたい。すべてについて疑っていると辛くなる。若い時は難しいかもしれないが、経験や年を重ねていくとこれは疑わなくていいんだということがいつか分かるようになる。疑うことをずーっと続けていくことで本物がわかるようになる。」と答えました。