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2019/6/28 甲斐市立竜王北中学校で出張トークを行いました

 令和元年6月28日、甲斐市立竜王北中学校で館長出張トークを行いました。240名の全校生徒の皆さんに「心に残った読書体験」と題して講演しました。期末テストを終えたばかりの生徒たちは、疲れも見せず楽しそうに聞いていました。
 先ず、館長は、テストのこと、勉強のこと、国語は好きかなどと話しかけました。 次に、県立図書館はエアコンが効いていて快適な環境だから、是非来てもらいたいとPRしました。


0628-1.jpg(話をする館長の様子)
  

 自分の祖父の京助と父の春彦は国語辞典を作ったが、国語が得意でない人もいる。自分の娘は国語が苦手で、学校から感想文の宿題が出されたときに「つまらなかった」と書いたら30点だった。娘は自分の考えを書けと言われて書いたのにと怒っていた。

 高い点をもらいたかったら、宿題を出した先生がどう思っているかを書く必要があるわけだが、読んだ本人がつまらなかったら、つまらないと書けばいいと思う。みんな一人ひとり違うことを考えているのだから。自分はいつも先生から「金田一君は変わっているね」と言われ、「ありがとう」と答えていた。自分が自分であるためには変わっていることもいいことである。親の考えていることと自分で考えていることが違ってくるかもしれないが、怖れないでほしい。日本では、先生の言うことには疑問を持たず正しいと考えてしまうが、変だと思ったら聞いてみればいい。外国へ行くと、変だと思ったらなぜそうなのか、みんなよく聞いている。

 英語に関して言うと、いま、自動翻訳機「ポケトーク」が使われている。皆さんが大きくなっている時には、もっと性能が良くなっているはずである。英語の勉強が面白いと思う人は続ければいいし、いやならやめてもいい。英語の先生に怒られてしまうが、英語の勉強はあまり必要なくなる。そういう便利な機器を使い外国の人といっぱいしゃべって交流してほしい。

 本を読むことは、いろいろな人と話をすること。いろいろな人の考え方を知ることができる。自分と違う考え方を知ることで、とてもいい刺激になる。

 自分は、小学校2、3年の頃、病気でずっと病院に居た。ラジオを聞くことと本を読むことしかできなかった。よく読んだ本は、地図帳、時刻表、人名辞典、歴史年表、図鑑類などで圧倒的に楽しかった。そういう本では感想文は書けないが、『星の王子さま』のような物語でも好きな本はあった。『吾輩は猫である』(夏目漱石)と『どくとるマンボウ航海記』(北杜夫)である。後者は、著者が医師として乗船し世界各地を見聞した話である。自分はそういう生き方に影響を受けた。

 みんなが正しいということが本当に正しいことかどうかはわからない。一人ひとりがよく考えることが大切である。

 最近の例を出すと、小さい子が親に虐待されて死んでしまう痛ましい事件があった。児童相談所の対処がまずかったと報道されたが、大きく考えるとたくさんの子供達が助かっていて保護に失敗した一例だけがニュースになってしまう。世の中にいろいろな意見があるなかで、自分自身で考えられることが読書の効用である。そういう意味で本を読んでおいた方がいい。

 最後に、作文の書き方について言うと、上手か下手かではなく、こういう書き方がある。書く前に結論が決まっているのが一般的であるが、面白いか、つまらないか、分からないままに書き出す。それは、書くことで、面白いか、つまらないかが分かるということ。書くことで結論を出す。書けるところから書いていく、考えるために書いていく、そして最後に結論が出てくる。よくがんばって聞いてくれて感謝する。

 






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(会場の様子)
 生徒たちから、「先生にとって本はどんなもの。今まで読んだ中で一番よかった本は。生きていく上で読書は必要か。楽しく読むためのアドバイスを。」といった質問が出ました。
  館長は、「本は心、気持ちを豊かに温かくしてくれるもの。働いても心は豊かになるとは限らない。一人でいる状況では本を読まないと貧しい気持ちになる。今まで何冊読んだか分からないが、一番良かった一冊を選ぶことはできない。人により読書が必要な人とそうでない人がいる。お金も同じで、水と食べ物があればいいと思う人がいる。本とか友達、家族がいれば楽しい。仲のいい本好きな友達を作ってお互い刺激し合えば楽しい。」と答えました。