館長連続講座「寺子屋ことば学」の第3回講義を行いました。第3回のテーマは、『ことば以前のことば』でした。

ホモサピエンスは20万年前にアフリカで生まれたが、5万年前にシベリアからアラスカなど、急に各地で見られるようになったと語り、ネアンデルタールにはなく、ホモサピエンスがもっていたものは「言語」であったと述べました。15万年の間も子育ての中でコミュニケーションはしていたと考えられるが、"伝わる"、"伝えることができる"という点が両者は異なっていたと語りました。

また記号や言語は仮想のものであり「音」と「それは何か?」を指すものが無関係であると語りました。「いぬ=dog」だとわかるのは学習であり後天的であるが、鳴き声は「ドイツ語のいぬ」、「日本語のいぬ」と分かれておらず、先天的で普遍的なものであると話しました。