館長連続講座「寺子屋ことば学」の第2回講義を行いました。第2回のテーマは、『何で伝えるか』でした。

なぜ人々は文字を使うのか。それは、1対多数に伝えることができるからだと語り、指文字(触覚)は1対1ならば情報を伝えることができ、直接触れることで秘密を守ることには適していると語りました。また視覚はのろしやサーチライトのように距離の面で優位ではあるが、暗闇では難しく、味覚は場所も限られ、満腹になることで味の感じ方の情報量で限度がある。嗅覚では匂いは残るため情報も混ざってしまい、声は線状性があるため混ざらないが距離の面では難しいと話しました。

(会場の様子)
また手話についても取り上げ、手話はどんなことでも表現できる高度な言語であると述べ、デフシアターは始まりのブザーが鳴らず、舞台も客席も明るい状態で上映することや他の方が手話で会話をしているのを見るのは"のぞき聞き"のようなものなので見てはいけないこと、「日本手話」と「アメリカ手話」では語順が違うことなども話しました。