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2018/3/10 館長連続講座(第6回)を開催しました

 館長連続講座「小倉百人一首を楽しく」の第6回講義を行いました。第6回のテーマは、『落ち穂拾い』でした。
 
 講義では、「冬の寒さにはモモヒキがありがたい...」と始め、百人一首100番「百敷や...」(順徳院)の歌を、ユーモアを交えて紹介しました。「百敷」は石を敷き詰めた立派な屋敷、宮廷を指しており、宮廷の軒端に生えるしのび草からかつての宮の盛りを思い出す...という内容。承久の乱で配流された順徳院ですが、同じく配流された後鳥羽院(99番作者)の歌とともに百人一首の最後に選ばれているのは、定家の二人の歌へのリスペクトがあったからではないかと語りました。



話をする館長の様子(話をする館長の様子)

 
 
 また、紀貫之によって書かれた「古今和歌集序」を取り上げました。「古今和歌集序」には、和歌は天地の初めからありましたが、神の世では文字が定まっていなかったとあり、人の世になり、スサノヲノミコトが初めて31字の和歌を詠んだとしています。館長は、スサノオの歌「夜久毛多都...」を挙げ、日本語の音を文字で表現する、仮名の歴史に触れました。特に、古事記を書き上げるにあたり、従来使われていた漢文では日本人の心までは伝わらないとし、仮名により日本語の音を伝えようとした太安万侶への感動を語りました。
講義の終わりには、クリエーションの大切さを語り、受講者にも挑んでほしいと話しました。
 


会場の様子
(会場の様子)
 
 終了後、全6回出席者に修了証書と館長のメッセージ入りサイン色紙が授与されました。