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2014/3/15 阿刀田館長連続講座(第6回)が行われました。

阿刀田館長が、館長連続講座「短編小説を読む」の第6回講義を行いました。
今回の講義は中島敦の作品「文字禍・狐憑」を取り上げ、作家としての敦と、その作品について話しました。

話をする館長の様子                          (話をする館長の様子)

阿刀田館長によると、敦は幼い時から漢学者である父の訓育を受ける一方、家族的な不幸や自身の健康問題に悩まされていたとのことです。また、東大国文科在学時から才筆はあったものの、文学的な才能の幅が広いため、一つに絞りきれないまま若くして世を去ったとのことです。ただ、イマジネーションの豊かさは日本の作家としては突出していると思われるそうです。
                   会場の様子                               

                               (会場の様子)

「文字禍」は人類にとって欠かせない文字文化の短所をあえて問いかけた作品で、現代の活字離れを前に多くを考えさせる作品だと阿刀田館長は考えています。また、「狐憑」は小説家の背負う運命を示唆する作品でもあり、そのリアリズムを超えた面白さを高く評価しました。

今回が連続講座の第二期最終回となり、出席回数を満たした受講者には修了証が配布されました。