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2014/3/1 阿刀田館長連続講座(第5回)が行われました。

阿刀田館長が、館長連続講座「短編小説を読む」の第5回講義を行いました。
今回の講義は山本周五郎の作品「その木戸を通って」を取り上げ、作家としての周五郎と、その作品について話しました。

話をする館長の様子                          (話をする館長の様子)

阿刀田館長によると、周五郎は山梨県大月市の生まれで、幼い時に故郷を離れ、小学校卒業後は丁稚などの下積みの仕事をしており、作家としては珍しくきちんとした生活をしたひとだったということです。また、初期の作品は講談をアレンジした程度の拙いものでしたが、次第に志のこもった作品を発表するようになり、多くの人に愛される「大衆作家」へと成長したとのことでした。
                   会場の様子                               

                               (会場の様子)

「その木戸を通って」については、海外ミステリーの気配を感じさせるもので、ともすればワンパターンになりがちな時代小説を異色なものに仕立てつつ、異色さを感じさせないという周五郎の「さりげない上手さ」が表れた作品だと評価しました。

今回も多数の受講者の皆様にご参加いただきました。