山梨県公共図書館協会会報 第33号
-目次-
新たな図書館サービスを目指して
山梨県公共図書館協会 会長 齊藤 秀
平成27年度山梨県図書館大会報告
大会テーマ「富士からつなぐ ひと・時・図書館」
各部会の活動について
児童奉仕研究部会、地域資料研究部会、読書推進研究部会
平成27年度 県内事情
平成27年度事業報告 事務局だより
新たな図書館サービスを目指して
山梨県公共図書館協会 会長 齊藤 秀
県立図書館新館開館当初から、県立で借りた資料を、地元の市町村立図書館で返却できないかというご意見をいただいています。そこで、この5月から「広域返却サービス」として、4つの市町村立図書館で試行をすることになりました。問題点の洗い出しだけでなく、このサービスによって、利用者にとってどのような利便性が生じるのか、県全体の読書活動の推進にどのような影響があるのか等を検証し、秋には、県内すべての市町村立図書館で返却できるようなシステムを構築したいと思っています。その際、県立図書館だけよければというものではなく、市町村立図書館にどのようなメリットがあるのか、県民全体へのサービスがどのように向上するのかを見極めていきます。最終的には、県立で借りた資料だけでなく、すべての市町村立図書館で借りた資料を、どこでも返却できるシステムが作れないかと考えています。たぶん、「そんなの無理」という声が上がるだろうと予想しています。なぜできないのかを考える前に「無理」と言って拒絶するのではなく、できない理由を検証するだけでも利用者へのサービスの向上につながる何かが見えてくるのではないかと思います。
さて、山梨県立図書館の阿刀田高館長は平成27年度当初、職員に向け、「図書館職員はもっと出版や書店の状況について理解する努力をしてほしい。」とお話しをなさいました。「やまなし読書活動促進事業」が2年目に入り、この事業を推進するにあたっては、書店との密接な関係が必要であるからで、一方で、図書館関係者が出版状況について、知っているようで知らないという現実があるからです。阿刀田館長は、「文字・活字文化推進機構」の副会長でもあり、子どもの活字離れ・読書離れを危惧し、読書活動の推進のために全国を飛び回っています。また、作家として、本が売れない現状を目の当たりにしています。そうした中、ご自身の提唱した「やまなし読書活動促進事業」が順調に滑り出し、一方で課題も見えだしたためにこの発言になったと思われます。昨年10月全国図書館大会の分科会「出版と図書館」で、みすず書房社長の持谷寿夫氏も、「図書館と出版は、減少していく読書環境の充実、読者拡大の必要という問題意識は共有できる。(中略)そのための交流の場も必要なのだろう。相互に「知る」ことから、あらたな信頼は作られるはずだ。」と発言しています。どうすればみんなが本を読むようになるかを考えるための第一歩として、図書館・書店・出版社が「相互に知る」機会を作る必要性があります。そういう意味で、「やまなし読書活動促進事業」が取り組み始めたことは大きな意味があります。まだまだ十分な活動ではありませんが、県をあげての事業となりますよう、ご協力をお願いします。
平成27年度第29回山梨県図書館大会報告
大会テーマ「富士からつなぐ ひと・時・図書館」
・大会概要
・記念講演
大会概要
平成27年11月27日(金)、第29回山梨県図書館大会が、山梨県公共図書館協会・忍野村・忍野村教育委員会・山中湖村・山中湖村教育委員会の主催により、忍野村生涯学習センター(おしの図書館)を会場に開催されました。この大会は、図書館関係者だけでなく日頃から読書活動に携わっている人、また本や読書、図書館に関心のある人などが一堂に会して読書や図書館について考えるもので、当日は165名の参加を得て、充実した研修会となりました。
今年度は、複雑化する社会のなかで図書館に求められているであろう「つなぐ」ことの可能性を考えようと、「富士からつなぐ ひと・時・図書館」を大会テーマに掲げました。
開会式では全国優良読書グループとして選ばれた、都留市立図書館「ボランティアサークルひびきの会」の活動が紹介され、山梨県読書推進運動協議会会長より表彰状と記念品の伝達がありました。その後記念講演が、午後からは2つの分科会が行われました。
記念講演 「富士山の知と地域―コモンズの視点」
〈講師〉総合地球環境学研究所 名誉教授 秋道 智彌 氏
記念講演では、プライベート(私有)でもパブリック(公有)でもないコモンズ(共有する)という視点から秋道智彌氏にお話をいただきました。
秋道氏は富士山学を提唱したいと考えていると述べられました。富士山学とは富士山に関する知の体系であり、目標は富士山学と社会連携・社会教育を含めた情報ネットワークの構築であるとのことでした。富士山を取り巻く地域社会に還元するようなことを考えようという意味で、富士山学にコモンズの発想を取り入れ、山梨の共有財産として未来のために生かすということが重要であり、そこで方法論としてメディアコモンズという発想をひとつの拠り所にしてはどうか、それは電子媒体を使ったデジタルアーカイブをつくるということだ、と述べられました。コモンズについてはいろいろな考え方がありますが、富士山の保存とその理解、具体的な行動を進める上で共有財産なのだという意識が重要であるとのことでした。
図書館に関わるのは知の共有であり、例えば、持っている本を自分だけの物にする(私蔵)、あまり利用されない公共図書館にある本(死蔵)などは宝の持ち腐れであり、重要なのは活用なので、知の共有財産として図書館を位置付けたいと述べられました。図書館や文書館では書誌情報の管理手法(NDC-日本十進分類法)が確立していますが、博物館・美術館ではそれが難しいので、重要になってくるのがMLA(Museum・Library・Archives)の連携であるとのことでした。情報を私有化・公有化するという二元論ではなく情報を共有化する、それを図書館がやればよいとのことでした。また、図書館員とはマネージャーでありアナリストでもあり、分類・索引・デジタル化のような作業はプロにしかできないことだとも述べられました。情報をユーザー・アクティビストとつなげる、ユーザーやアクティビストがまた来たくなるような施設を考える、そういった連携も必要であるとのことでした。
最後に、富士山学はみんなで共有するというコモンズの発想であり、デジタル化、レポジトリ化、データベースを作るということ、そして戦略的トピックスをもって本の収集あるいは情報を集めようとのことでした。具体的にはユーザー・アナリスト・アクティビストとの連携、学校教育と社会教育のネットワーク、遊びと研究を一緒にする、行政間の連携など、切り口を決めて富士山学を構築できたらいいとのことでした。そういったことで、フィールド・情報・地域を組み合わせて新しいネットワークを、図書館・博物館・美術館・学校・行政・ボランティアといろんな形で連携できる活動を構築したいとのことでした。富士山ならテーマはたくさんあるので、みなさんと一緒に本作りと情報のMLA連携と子どもたちへの未来の夢を語る富士山学を共にやっていけたらいいと締めくくられました。
〈講師〉 猪谷 千香 氏
第1分科会ではハフィントンポストの猪谷千香氏に、数々の図書館を取材されてきたなかで図書館がどのように情報発信をしてきたのか、強い図書館を作るにはどのようにソーシャルメディアを活かしていけばいいのかお話をいただきました。
まず取り上げられたのは「アンネの日記」事件でした。この事件を最初に報じたのはまさに猪谷氏だったそうです。東京都内の図書館で「アンネの日記」が破られる被害が多数起きているというツイートをご覧になった猪谷氏は、まず報道することで模倣犯が出ることを懸念されました。なぜなら図書館というのは不特定多数が出入りするにも関わらず、防犯上少し弱い面があると感じていらしたからです。取材をスタートしたところ、23区内の図書館はすでに被害状況を把握していたにもかかわらず何も動いていなかったそうです。しかしハフィントンポストが報じたことで反響は海外にまで及び、図書館には「アンネの日記」や関連書籍が続々と寄贈されるなど、支援の手が続々と差し伸べられました。この件では図書館側からの情報発信や、「アンネの日記」を守ろうという姿勢をもっと強く出すべきだったのではないかと述べられました。
次に神奈川県立図書館問題を取り上げられました。これは神奈川県の財政が非常に逼迫しているということで、県立図書館のサービスの縮減、閲覧・貸出の廃止を検討するという事態になったものです。一般の方からすると県立図書館と市町村立図書館の役割は不明瞭であり、入館者数にも大きな開きがあるため、これは二重行政ではないかと批判されたそうです。最終的には白紙撤回されましたが、そこに至るまでには外部の声が非常に大きく、市民が立ち上げた「神奈川県立図書館を考える会」や元々存在していた「神奈川県資料室研究会」による活動、さらに地元新聞が大きく報じたことなどがあったそうです。この件は決して他人事ではなく、どこの自治体も財政は非常に厳しいので明日は我が身ともいえる問題だと述べられました。
これらをふまえてどうすれば強い図書館を作れるのかというと、いかに多くの味方を作れるかが鍵で、そのために情報発信が必要であるとのことでした。情報発信の一つの方法として、新聞やテレビなどのマスメディアに情報を流してニュースにしてもらうという方法がありますが、ニュースにする側の視点から、どの情報をニュースにするかしないかという裏話もお聞きすることができました。またマスメディアに頼るのではなく、SNSを使って自ら情報発信することもできます。その興味深い実例として、ICU図書館や東京外国語大学図書館、ニューヨーク公共図書館などを紹介していただきました。
しかしSNSをやる上では「炎上する」という危険性があります。不特定多数の人に情報発信すると予想外の反応が起きることもありますが、その情報に責任を持ち、誠心誠意きちんと説明することが大事であり、普段窓口で利用者対応するのと変わりはないのであまり恐れる必要はないとのことでした。
また、最近新しくクラウドファンディングというサイトが立ち上がりました。これは資金を広くネット上で募ると言うものです。島根県海士町で図書館が作られた際に財政難で本が買えなかったため、寄付を募った例などが紹介されました。特に図書館はみんなが好きで大事に思っている施設なので、利用者のニーズに合わせたプロジェクトであれば応援してくれる人は必ずいるとのことでした。
最後にお話されたのはサードプレイスとしての図書館についてでした。サードプレイスとは、家庭・職場・学校など、個人が自分の属性から離れてくつろげる居場所のことで、それがきちんと機能していると地域社会は活性化するそうです。以前鎌倉市図書館のツイッターが話題を集めたことも取り上げられました。今そういった場所を求める人はとても多く、図書館にもそのような役割が求められているとのことでした。
どうしてソーシャルメディアが必要なのかというと、コストがかからずに図書館利用者以外の多くの方にも情報を届けることができるからです。情報発信をする際に重要なのは、サプライズ(良い意味で予想を裏切る)、パッション(図書館の情熱を伝える)、アジリティ(素早い対応)、リスペクト(ユーザーを尊敬するが、迎合はしない)、そしてコンティニュイティ(継続すること)だと述べられました。いきなり色々やろうとするのではなく、できることから少しずつ続けていくことが大事だと締めくくられました。
〈講師〉花田一郎氏
第2分科会では大日本印刷株式会社の花田一郎氏に、作り手側の立場からお話をいただきました。
まず事前に募った3つの質問についてお話されました。その一つめは、「電子書籍の貸出をしている図書館の現在の状況について」です。2010年はiPadなどが出てきたことにより「電子書籍元年」と言われており、また図書館でも電子書籍をどう導入していけばいいのかといった声が聞こえ始めた年でした。翌2011年にはDNPグループがサービスを開始しました。その後新規会社の立ち上げや有名企業の参入があり、色々な顔ぶれが揃ってきています。現在DNPグループのサービスを導入しているのは31館、そのうち公共向けが28館とのことで、初動が30館ほどというのは図書館設置自治体数から考えてもだいぶ少ないと思われます。しかし、今までなかったものを導入するには人・物・金の問題というのが必ずついてまわります。そのような厳しい状況で、5年間サービスを続けて今に至っていることが重要だと述べられました。
二つめは「図書館で扱える電子書籍の現状と今後の動向について」です。「コンテンツが少ない」とよく聞きますが、予算の都合上、提供しているタイトルは必ずしも全て買われるわけではないということ、しかし個人向けの電子書籍の消費が着実に伸びているので、図書館向けのものもこれからさらに伸びていくであろうとのことでした。また、電子図書館を作る時は「使いやすさ」にこだわっているとのことでした。
三つめは「電子図書館で紙と同様に買い切りのサービスが行えない理由は何か」です。紙の本はお金を払って買った人の物になります。そもそも買い切りサービスという発想自体がなく、電子書籍というものを考えて初めてその言葉を気にするようになったのではないか、とのことでした。
次に本日のトピックについてお話されました。一つめは「『フローとストックと情報のダイナミズム』-そもそも電子図書館とは何か」です。従来の図書館と電子図書館を比較すると、従来の図書館には収集と提供という二つの大きな使命があり、特に入口=収集が重要です。一方電子図書館においては出口=利用にこそメリットがあり、そのため電子図書館と紙の図書館は置き換えられないとのことでした。電子とはあくまで付加されるものであり、図書館は従来のまま頑張っていく、そこから攻める手段としてデジタルをツールとして使いこなして欲しいと述べられました。また図書館は情報の発信拠点であり、個々に存在するあふれるほどの情報をつなげて意味のある情報として提供するという役割が期待されているとも述べられました。
二つめのトピックは「『図書館であるということのポテンシャル』-図書館は拡張できるか」です。国立国会図書館の近代デジタルライブラリーやスミソニアン博物館のサイトなどを例に、電子図書館を使うことで「機会」「機能」「役割」が拡張でき、それが図書館の意義を強くしていくとのことでした。電子図書館を始めるというのはデジタル・ツールが増えただけの事なので、ただ使えばいい、使えば使うほどその価値は使った人に落ちてくるとのことでした。
三つめは「『図書館にまつわるデジタル時代のリテラシー』-図書館を担うために必要なこと」です。状況が変化しても図書館というフィルターを通すと信頼たるものになることを意識してほしいと述べられました。また情報が欲しい人だけが利用者ではなく、利用者は潜在的にどこにいるのかわからない。そして利用者は一人一人が異なった趣味や関心をもっているということを意識することも大切だとのことでした。
四つめは「『電子図書館事例紹介』-TRC-DLを中心に」です。TRC-DLの導入館から、積極的に活用している素晴らしい事例をいくつか紹介していただきました。また、サービス導入時は利用が多いけれども基本的にどんなサービスでも右肩下がりになっていくので、定着するまではイベントなどの下げ止まり策が必要になります。宣伝は目に見えないインターネットには不可欠であり、ソーシャルメディアなどを使ってその存在を知らしめていくことが必要です。建屋としての図書館と電子図書館が相互に補完する存在として上手く使ってほしいとのことでした。
最後に花田氏は、次に図書館向けのサービスとして「情報アクセシビリティ」と「インタラクション(参加)」をあげ、読者の読書体験が楽しくなるような世界を考えていると述べられました。電子図書館だけでなく、もっと電子書籍・電子資料が広く提供・蓄積されることで新しい時代が享受できるようになればと考えているので、図書館と手を取り合っていきたいと思っていると締めくくられました。
各部会の活動について
児童奉仕研究部会
児童奉仕研究部会は、子どもの読書活動の充実と普及を図ることを目的に研究会、学習会等を行っています。研究会はA~Eの5ブロックに分かれて年5~6回開催しており、年度末には研究報告と学習会を行っています。
今年度は、Aブロックは「小学生向けブックトーク資料研究、ミニブックトークの作成」、Bブロックは「季節ごとの絵本リストの作成とミニ工作」、Cブロックは「おはなし会で使えるアニマシオンの研究」、Dブロックは「小学校見学時に使用する小物の作成」、Eブロックは「小学生向けおはなし会の研究」をテーマにブロックごとの研究会を開催しました。B~Eブロックでは、実践発表として、各館の特色あるおはなし会の紹介や工作の紹介を行ったり、「朝の10分間読書での読み聞かせにおすすめの本」というテーマで推薦図書の選定も行いました。
また、平成28年2月25日に山梨県立図書館において、研究の成果を発表する研究報告を行いました。1年にわたる研究の成果に会員は熱心に耳を傾け、今後の実践に活かせる学びの場となりました。
さらに、同日午後に行われた学習会では、絵本作家で大月市立図書館長の仁科幸子氏を講師に、「視点を変えて、心豊かな図書館に!」と題してご講演いただきました。大月市立図書館で、仁科館長を中心に行われている様々な取り組みをご紹介いただき、図書館の在り方について改めて考える機会になりました。
今後も、児童奉仕研究部会は、子どもが良い本と出会える環境づくりを整えるため、さらなる研究・討議を重ね、公共図書館の児童奉仕活動の現場で中心的な役割を果たせるよう、子どもの読書活動の充実に努めていきたいと思います。
地域資料研究部会
山梨県公共図書館協会地域資料研究部会は、山梨県にかかわる地域資料の取り扱い方などに関する研究協議を行い、その成果を公表することによって、地域資料の保存、利用提供等、図書館サービスの質的向上に資することを活動の目的としています。
今年度の活動として、第1回は「山梨県立リニア見学センター」へ行き、センターを見学しました。2027年に開業を目指すリニアですが、山梨に住んでいてもなかなか見学センターに行く機会がない方が多く、リニアについても詳しく知らないということで、リニアの実験走行を見たり超伝導の実験を体験し、リニアについて学ぶことができました。また、アンケートを配布し、今後の研究部会での研究内容やリスト作成について検討しています。第2回は図書館職員専門研修と合同で講義「地域資料のレファレンス」を行いました。レファレンスは会員の関心も高く、充実した研修会となりました。
今後も、地域資料に関する講演、事例発表、見学、山公図との共催による研修会の開催を考えています。
読書推進研究部会
読書推進研究部会は、読書推進に必要な調査及び研究を行い、学校図書館及び読書や書籍に関係する諸団体と協力・連携し、県全体の読書活動の充実と推進を図ることを目的に、平成25年度に設置されました。
主な活動としては、これまでの山梨県読書推進運動協議会の業務を引き継いだ「こどもの読書週間」「読書週間」の行事報告や「敬老の日におすすめする本」「若い人たちにおすすめする本」の推薦、優良読書グループ推薦等をおこなっています。また、公益社団法人読書推進運動協議会からの機関誌「読書推進運動」、ポスター、ちらしの配布も行っています。
平成27年度 県内事情
新館建設に関する動き
- 富士川町では、新たに整備を計画している町立図書館の基本構想を町立図書館基本構想検討委員会が11月中旬提言した。
市町村立図書館の動き
- 山梨市では、2016年11月に開館予定の市立図書館の代替施設として仮図書館を11月開設した。
- 北杜市では八ヶ岳定住自立圏の一環として、全館で長野県富士見町図書館、原村図書館との相互貸借を開始した。
- 韮崎市では、セカンドブック事業を開始し4月に絵本リスト『えほんのせかい』を発行した。同月から開館時間を20時まで延長し、利用者の利便性の向上を図った。昨年始めた「図書館を使った調べるコンクール」への取り組みで「図書館を使った調べる学習活動賞」を受賞した。
- 身延町では、生後4ヶ月児を対象としたブックスタート事業を8月から開始した。
- 中央市では、田富図書館開館20周年記念事業としてスタンプラリーを開催した。
- 笛吹市では、御坂図書館開館10周年記念事業として長沼毅氏を講師に迎え、講演会「宇宙にいるかも!こんなすごい深海生物」を開催した。
- 大月市では、4月から絵本作家の仁科幸子氏が館長に就任した。また、「雑誌スポンサー制度」を県内で初めて導入し、雑誌コーナーの充実をはかった。
- 甲府市では、夏季期間に開館時間の1時間繰り上げを実施し、利用者の利便性の向上に努めた。
県立図書館の動き
- 静岡県立中央図書館と6月2日連携協定を締結し、富士山関連資料を相互活用しながら、国内外への情報発信などに取り組むことを確認した。元々、災害時の相互応援を申し合わせていたが、富士山の世界文化遺産登録を機に、富士山の自然や文化についての情報発信の他、関係書籍等の重複所蔵を避けるなど、効率的な運営を目指すことになった。災害時に保存資料をそれぞれの図書館で受け入れることも協議を進める方針。当面は両図書館が保存している富士山関連資料のリスト化などを進める。
- 山梨県教育委員会が進める「やまなし読書活動促進事業」の一環として、6月21日に「椎名誠氏講演会・シンポジウム」を開催した。
- 「第2回贈りたい本大賞」を実施した。6月~9月に公募し、選考委員による審査を経て、11月に大賞を決定した。
- 9月には県内公共図書館の協力を得たリーフレット「図書館司書が選ぶこんな時、この一冊」と「山梨県立図書館の職員が選ぶこんな時、この一冊」を作成し、贈りたい本大賞受賞作とともに、11月11日開催の「贈りたい本大賞表彰式、北方謙三氏講演会」に合わせた展示を行い、来館者にアピールした。
その他の動き
- 県教育委員会では、「やまなし読書活動促進事業」として10月4日にファーストステージ「ビブリオバトルやまなし」を開催した。2月21日にはビブリオバトル山梨頂上決戦をサードステージとして開催した。
平成27年度事業報告 事務局だより
第1回全体研修会
開催日:4月24日(金)
場 所:山梨県立図書館 多目的ホール
講 演:山根基世氏朗読講習会
参加者:92名
総会
開催日:5月22日(金)
場 所:山梨県立図書館 交流ルーム101
議 題:平成26年度事業報告及び決算報告 平成27年度事業計画及び予算
参加者:21名
平成27年度第29回山梨県図書館大会
開催日:11月27日(金)
場 所:忍野村生涯学習センター
テーマ :富士からつなぐ ひと・時・図書館
内 容:
・ 記念講演 「富士山の知と地域-コモンズの視点」
総合地球環境学研究所 名誉教授 秋道 智彌氏
・ 分科会1 「ソーシャルメディア時代の強い図書館のつくりかた」
講師:猪谷 千香氏(文筆家 ハフィントンポスト日本版記者)
・ 分科会2 「電子図書館・電子書籍貸出サービスQ&A」
講師:花田 一郎氏(大日本印刷株式会社)
参加者:165名
第2回全体研修会
開催日:1月29日(金)
場 所:県立図書館 多目的ホール
内 容:
・ 講義 「図書館における利用者参画支援」
講師:竹端 寛氏(山梨学院大学 法学部政治行政学科 教授)
・ グループワーク
参加者:14名
地域資料研究部会
第1回 7月 7日(火) 山梨県立リニア見学センター
第2回 12月25日(金) 第5回図書館職員専門研修と合同開催
児童奉仕研究部会
全体会 第1回 6月25日(木) 笛吹市スコレーセンター
第2回 2月25日(木) 山梨県立図書館
A支部 5回
B・C・D・E支部 5回
刊行物
「山梨県の図書館2015-山梨県図書館白書-」
「こどもにすすめたい本2016」