阿刀田館長が館長連続講座「短編小説の楽しみ、今でしょ」の第2回講義を行いました。
今回の講義では、村上春樹の作品「ハナレイ・ベイ」を取り上げました。
阿刀田館長は村上春樹について、新しい知識を貪欲に吸収し、良い感性で若い人に訴えかえる力を持っている。時代の風潮をとらえ、表現するセンスを持った作家であると語りました。
(会場の様子)
「ハナレイ・ベイ」は、最初の2、3行で引き込まれて最後まで読んでしまう力がある。主人公サチの人間性、人生が巧みに描かれていて、登場する2人のサーファーを含め、生き生きとした小説で、設定描写の光る作品である、と評しました。
(話をする館長の様子)
阿刀田館長は、村上春樹の長編作品には分かりにくいものもあるが、短篇には気のきいた、面白い作品があるとし、「ハナレイ・ベイ」が収録されている『東京奇譚集』は、村上春樹入門としておすすめであると話しました。