◇県内事情
平成16年度



●市町村立図書館の動き●


 4月1日に小淵沢町公民館図書室を町立図書館とする設置条例が制定された。4月5日には、敷島町立図書館がリニューアルオープン、4月25日には、指定管理者制度を適用し村立施設の図書館運営をNPO法人が受託する、山中湖情報創造館が開館した。また、同月より身延町立図書館では、地域資料の下山大工資料のデジタル化を実施、忍野村立おしの図書館では、村内の小中学校との総合目録オンラインデータベースが開始された。甲府市立図書館では祝日開館が本格実施された。

 6月には須玉町(現在の北杜市)が、「須玉・子どもの読書プラン」を策定した。県内での子ども読書推進計画の策定は,同町が初めてである。また、南アルプス市立図書館では、八田ふれあい図書館のシステム変更により、市内全館の図書館ネットワークシステムが完成した。

 7月には玉穂町生涯学習館が同町の山梨大学医学部附属病院小児科病棟内に「ミニ子ども図書館」を開設した。

 8月には、甲府市立図書館で、フィールズ賞受賞者の故小平邦彦常設展示場が開設したのを記念して、除幕式、記念講演などが行われた。

 10月には富士吉田市立図書館が小中学校の総合学習に対応して、授業に使うための図書を100冊までまとめて学校に出前する団体貸出サービスを始めた。また、大月市立図書館では、市制施行50周年記念事業、新図書館開館記念行事が行われた。

 合併により誕生した甲斐市(9月1日)、笛吹市(10月12日)、北杜市(11月1日)では、合併にともない、図書館未設置であった旧自治体の公民館図書室を図書館として整備した。また、各地域館で利用時間や貸出期間・貸出冊数の見直しがなされ、積極的なサービスの拡大が行われた。

 富士河口湖町立図書館,富士吉田市立図書館では,現在新館計画が進行している。また平成17年4月には、笛吹市御坂図書館(仮称)が、生涯学習センター「学びの杜みさか」内にオープン予定である。

○主な刊行物
 『いつまでも語りつごう春日居の民話と伝説』(春日居ふるさと図書館)
 『須玉・子どもの読書プラン』(すたま森の図書館)
 南アルプス市立図書館の概要』(南アルプス市立図書館)


●県立図書館の動き●

 4月から資料整理や館内美化を行う図書館ボランティア導入を本格実施した。文部科学省委託事業「社会教育活性化21世紀プラン」として「働く県民を支援する図書館・仕事に役立つ図書館」事業が実施され,図書館利用講座やビジネス支援講演会の開催や、ポスター、パンフレットの作成、市町村立図書館等への配布などを行った。また,ホームページの一部をリニューアルし、新たに「図書館員のページ」を設けて、県内市町村立図書館向けの情報を発信している。

 山梨県は,5月に「県立図書館等複合施設基本構想検討委員会」を発足し、12月22日に新しい県立図書館の整備計画についての報告書を山本知事に提出した。これを受けて県は、平成17年2月4日に基本構想案をまとめ、パブリック・コメント制度により県民の意見を募った。


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「山梨県公共図書館協会報」No.23