? 甲州方言の「かさんまい」について知りたい。

【回答】

「かさんまい」とは、「かたつむり」のことである。南都留郡や南巨摩郡地域で使われている。なお、県外では、神奈川県、静岡県の地域でも言われている。『山梨県言語地図集』によると、県内の「かたつむり」の方言は、「ジットゥバットウ」北巨摩郡、「ダイロ」塩山、「マイマイ」大月、「ミャーミャー」大月、「メメンジョ」甲府、中巨摩郡、「モモーズ」北都留郡など多くの言い方がある。

【調査過程】
■方言関係の資料で「カサンマイ」を検索したところ、『甲州方言』などに記載があり、「かたつむり」であることがわかった。
■「かたつむり」の呼び名で郷土資料、一般資料で調べてみた。方言関係、生物学関係で掲載があった。

【キーワード】
■甲州方言■山梨方言■かたつむり

【参考資料】
◆『甲州方言』(深沢泉著 甲陽書房 1979)
◆『山梨県方言辞典』(羽田一成著国書刊行会 1976)
◆『山梨県言語地図集』(永瀬治郎編 専修大学出版局 1988)
◆『全国無脊椎動物地方名検索辞典 北日本編』(太平洋資源開発研究所編 生物情報社 2006)
◆『蝸虫考』(柳田国男著 創元社 1943)

【調査にあたって】
「かたつむり」のことであるということがわかったので、他の地域での呼び名も関連して探してみた。その結果山梨県内だけであっても「かたつむり」の呼び名は非常に多くの言い方があることがわかった。また、隣接する近県でも同様な言い方があり、地域どうしの交流があったことがよくわかった。
また、甲府、中巨摩郡等で使われている「メメンジョ」という呼び方は、『山梨県方言辞典』をはじめ、「ミミズ」の方言としている資料もある。似ていないミミズとかたつむりがなぜ同じ呼び方をするのか調べてみるのも興味深いと思う。

作成日:2011/7/15