? 日本が世界銀行から受けた融資を返済しおわった日を知りたい。

【回答】

日本は1953年から計31件、約8億6300万ドルの融資を受けた。この返済が終了したのは1990年7月15日。

【調査過程】
■自館システムで世界銀行に関する資料を探すと、『世界銀行』(鷲見一夫著 有斐閣 1994)『世界銀行は地球を救えるか』(スーザン・ジョージ,ファブリッチオ・サベッリ共著 朝日新聞社 1996)などがヒットした。これらの資料や『戦後史大事典』(三省堂 1995)などにあたってみるが、日本が受けた融資の返済完了がいつか、ということは記載されていない。「世界銀行」は正式名称が「国際復興開発銀行(IBRD)」で、主に戦争により破壊された加盟国の復興・開発を援助するための国連機関であるとのこと。
■『国際機関総覧』1996年版(外務省編 日本国際問題研究所 1996)『国際機関ってどんなところ』(原康著 岩波書店 1994)によると、日本が世銀へ加盟したのは1952年8月14日。1953年から計31件、8億6300万ドルを借り入れ、電源開発資金、東海道新幹線や黒部第四ダムの建設など、電力・鉄鋼・鉄道等の分野で使用した。完済は1990年7月ということが分かったが、日付までは分からない。
■完済の年・月まで判明したので、あとは年鑑類にあたる。『朝日年鑑』1991(朝日新聞社 1991)の年表部分に記載があり、7月15日ということが分かった。また『読売年鑑』(読売新聞社)1957年版から1967年版に、全てではないようだが日本の借款額が載っている。

【キーワード】
■世界銀行■国際復興開発銀行■融資

【参考資料】
◆『国際機関総覧』1996年版(外務省編 日本国際問題研究所 1996)
◆『国際機関ってどんなところ』(原康著 岩波書店 1994)

【調査にあたって】
年・月はともかく、日付まで分かるかどうかと半信半疑で調査を始めた。『朝日年鑑』などの年鑑類は、索引がきっちりと作られており、年表中の事項まで調べることができるので大変便利である。なお、『国際機関総覧』には日本の借入額が86億3000万ドルと記載されているが、同書中の他の部分や別の資料を見てみると、8億6300万ドルが正しいようである。

作成日:2000/12/7