【回答】
【調査過程】
■「一富士二鷹三茄子」を『日本国語大辞典』第1巻(小学館 2000)で調べると、続きの記載はないが、「一富士二鷹三茄子」の項に、出典として「狂歌・家つと」「続五元集」「狂歌・巴人集(はじんしゅう)」「譬喩尽」「黄表紙・盧生夢魂其前日(ろせいがゆめそのぜんじつ)」「笈埃随筆(きゅうあいずいひつ)」「嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)」「甲子夜話」「俚言集覧」があげられている。
■「家つと」は自館システムで検索できず、国会図書館の蔵書検索システムで検索すると『新群書類従』の内容細目「第10狂歌」に「家つと 油煙斎貞柳(ゆえんさいていりゅう)」とあり。当館所蔵の『新群書類従』第10狂歌(第一書房 1976)を見ると、引用部分は見つかるが、続きの記載なし。
■「続五元集」は自館システムで検索できず、『国書総目録』第5巻(岩波書店 1990)でひく。活字版が『其角全集(きかくぜんしゅう)』に収録されていることがわかるが、当館に所蔵なし。
■「巴人集」を含む『江戸狂歌本選集』第2巻(東京堂出版 1998)、「譬喩尽」にあたる『たとへづくし』(同朋舎 1979)、「盧生夢魂其前日」を含む『山東京伝全集』第2巻(ぺりかん社 1993)、「笈埃随筆」を含む『日本随筆大成』 第2期12(吉川弘文館 1994)、「嬉遊笑覧」にあたる『嬉遊笑覧』4(岩波書店 2005)、「甲子夜話」にあたる『甲子夜話』1(平凡社 1979)の中に、「一富士二鷹三茄子」に関する記述は見つかるが、続きの記載なし。
■「俚言集覧」については、『俚言集覧』増補 上巻(名著刊行会 1965)の中に、続きの記載あり。
■『俚言集覧』と同内容で『成語大辞苑』(主婦と生活社 1995)『俚諺大辞典』(東方書院 1933)『故事・俗信ことわざ大辞典』(小学館 1982)『仏教ことわざ辞典』(渓水社 1992)『数のつく日本語辞典』(東京堂出版 1999)『続続・雑学事典』(毎日新聞社 1971)『こどものカレンダー1月のまき』(偕成社 1993)にも記載あり。
■古い文献を集めた百科事典『古事類苑』4地部3(吉川弘文館 1971)をキーワード「富士山」でひくと「一富士二鷹三茄子」に関する記載はあるが、続きはなし。また同じく事典『広文庫』第19冊(広文庫刊行会 1926)をひくと、「夢」の項にやはり関連する記載はあるが、続きはなし。
■他に、ことわざや日本に関する辞典・事典類、行事の本、雑学の本を調査すると、諸説が出てきた。
■「四葬式五雪隠」は『故事・俗信ことわざ大辞典』(小学館 1982)によると、出典は「檜枝岐(ひのえまた)民俗誌」、「風俗画報」267号、「日向」16・17号と記載されているが、すべて当館に所蔵なし。
【キーワード】
■一富士二鷹三茄子■初夢■夢■ことわざ
【参考資料】
◆『俚言集覧』増補 上巻(名著刊行会 1965)
◆『故事・俗信ことわざ大辞典』(小学館 1982)
◆『仏教ことわざ辞典』(渓水社 1992)
◆『暮らしの中のことわざ辞典』(集英社 1983)
◆『続続・雑学事典』(毎日新聞社 1971)
◆『日本を知る事典』(社会思想社 1980)
◆『縁起かつぎの秘密』(同文書院 1996)
◆『日本国語大辞典』第1巻(小学館 2000)
◆『新群書類従』第10狂歌(第一書房 1976)
◆『国書総目録』第5巻(岩波書店 1990)
◆『江戸狂歌本選集』第2巻(東京堂出版 1998)
◆『たとへづくし』(同朋舎 1979)
◆『日本随筆大成』第2期12(吉川弘文館 1994)
◆『山東京伝全集』第2巻(ぺりかん社 1993)
◆『嬉遊笑覧』4(岩波書店 2005)
◆『甲子夜話』1(平凡社 1979)
◆『古事類苑』4地部3(吉川弘文館 1971)
◆『広文庫』第19冊(広文庫刊行会 1926)
◆『成語大辞苑』(主婦と生活社 1995)
◆『俚諺大辞典』(東方書院 1933)
◆『数のつく日本語辞典』(東京堂出版 1999)
◆『こどものカレンダー1月のまき』(偕成社 1993)
【調査にあたって】
事典類の引用部分については、できるだけ出典にあたるよう心がけた。続き部分については、「あとから加えた地口(じぐち)にすぎないであろう」と言っている資料(『日本を知る事典』)もあり、他にも諸説あるのではないかと思われる。
作成日:2008/3/16
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