第14分科会 多文化サービス
テーマ「多文化サービスQ&Aを使って一歩前進」
多文化サービス委員会は、2021年4月21日にJLAの委員会のHP上に「多文化サービスQ&A」を公開した。「多文化サービスQ&A」は多文化サービスを始めたい、関心がある図書館に対して、一歩を踏み出せるようにQ&A形式で解説した内容である。ぜひご覧下さい。
今年の「全国大会(山梨)」多文化サービス分科会では、多文化サービスの先進的な取り組みを行っている公共図書館に、多文化サービスの現場での実務的な取り組みについて講演頂く。今後多文化サービスを取り入れようと検討している図書館では、資料の選書、購入、受入など業務としての多文化サービスの具体的なノウハウも関心の高いところだと考える。そして忘れてならないのは、図書館はセーフティネットの役割も担っているということである。
報告1
浜口 美由紀 (JLA多文化サービス委員会委員長、長崎純心大学)
「多文化サービスQ&AのWeb公開と委員会の取り組み」
浜口 美由紀
長崎純心大学で司書課程担当。早坂記念図書館館長兼任。
青年海外協力隊に参加し、中米ドミニカ共和国の公共図書館に司書として勤務。国際交流基金関西国際センター図書館に勤務後、故郷の長崎に戻り現職。
報告2
阿部 治子 (JLA多文化サービス委員会副委員長、自治体職員)
「セーフティネットとしての図書館:情報・学習・交流・居場所」
自治体の行政サービスの中で、住民票や在留資格の有無に関係なくサービスを享受できる代表的なものに「公園」と「図書館」がある。貧困や社会的孤立が深刻化する中、「図書館」は生きるために必要な情報や休息、社会とのつながりを、誰からも排除されることなく無料で得ることができる。今こそ図書館は在留外国人を含むすべての住民のためのセーフティネットとしての力を発揮すべきではないだろうか。
阿部 治子 (あべ はるこ)
日本図書館協会多文化サービス委員会副委員長。自治体職員。
「むすびめの会」(図書館と多様な文化・言語的背景をもつ人々をむすぶ会)事務局。図書館、生活保護、自治・協働推進、多文化共生推進などに携わる。
『多文化社会の社会教育 公民館・図書館・博物館がつくる「安心の居場所」』(共著、明石書店2019)、『インタラクティブゼミナール 新しい多文化社会論 共に拓く共創・協働の時代』(共著、東海大学出版部2020)、『多文化共創社会への33の提言』(共編著、都政新報社2021)など。
報告3
米田 雅朗 (新宿区立大久保図書館)
「大久保図書館で感じたこと・思ったこと・考えたこと ~とうとう10年、まだ10年、そして未来に向かって~」
多様な文化的な背景を持つ人々が居住する新宿区の中でも際立って多くの在留外国人が暮らしている大久保の中で、米田館長は多文化サービスを実践して10年に渡って携われて来られた。豊富な経験を通して多文化サービスについて報告頂く。
米田 雅朗 (よねだ まさお)
新宿区立大久保図書館 館長
出版社営業職を経て、2007年より公共図書館に勤務。2011年より現職。
在住外国人が多い地域に所在する大久保図書館にて、「多文化サービス」を推進し、外国語資料の収集、多言語による絵本の読み聞かせ、外国人への日本語支援、外国人と日本人とのビブリオバトルなど、様々な事業に取り組んでいる。
報告4
窪田 聡美、油井 朋恵 (大阪市立中央図書館)
「大阪市立図書館の多文化サービス」
大阪市立中央図書館は1996年リニューアルオープン時から外国資料コーナーを設け、早くから多文化サービスに取り組んでいる図書館である。利用サービス部門と企画・情報部門の2つの業務を担当されている2人の担当者から同館の多文化サービスの取り組みについて報告を頂く。
「大阪市立中央図書館は開館100周年!」
窪田 聡美 (くぼた さとみ)
大阪市立中央図書館利用サービス担当(1階閲覧室)係長。
地域図書館、中央図書館企画・情報担当、教育委員会事務局指導部、中央図書館利用サービス担当(サービス企画)、同地域サービス担当係長を経て現職。
「大阪市立中央図書館は開館100周年!」
油井 朋恵 (あぶらい ともえ)
大阪市立中央図書館企画・情報担当(企画・収集)係長。
地域図書館、中央図書館利用サービス担当、教育委員会事務局総務部、自動車文庫を経て現職。