第10分科会 図書館利用教育

テーマ「情報リテラシー教育の次世代モデルに向けて」

 ⽇本図書館協会図書館利⽤教育委員会では各館種版および統合版の「図書館利⽤教育ガイドライン」を策定・公開しています(⽇本図書館協会図書館利⽤教育委員会編『図書館利⽤教育ガイドライン:図書館における情報リテラシー⽀援サービスのために』⽇本図書館協会,2001)。しかしながら,策定から20年以上が過ぎ,改定が必要となっています。

 改定に向けて少しずつですが準備を進めてまいりました。現ガイドラインの理念や⽅針などを引き継ぎつつも,これからの時代に即したものとするため,ガイドラインの改訂に留まらず,枠組み(仮)として新たに作成していくことが適切であると考えるに⾄りました。

 新しく作成する枠組みは,狭い意味での「図書館利⽤教育」に留まらず,いわゆる情報リテラシー教育において図書館がいかなる役割を果たせるか,という観点から構成されるものとなるでしょう。いわば情報リテラシー教育の次世代モデルを検討することとなるはずです。枠組みづくりに向けては,これまでの全国図書館⼤会分科会においても⾔及してきたとおり,図書館界として取り組むことが求められると考えています。そこで,本分科会では,枠組みづくりに向けたロードマップ(案)を提⽰しつつ,ご意⾒を伺いながら,皆さんとともに出発する機会と位置づけたいと思います。

 出発に先⽴って,まずは情報リテラシー教育をめぐる国際的な動向について知り,考えるところから始めたいと思います。分科会では,基調講演に坂本旬先⽣(法政⼤学キャリアデザイン学部教授)をお招きすることができました。坂本先⽣は,情報リテラシー教育について積極的にご研究を展開されている⼀⽅,ユネスコのメディア情報リテラシープログラムの普及をめざす「アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター」を⽴ち上げるなど,実践的な活動にも精⼒的に取り組まれています。坂本先⽣からお話しを伺い,メディアや情報のリテラシーをめぐる教育を広い視点からとらえ,図書館が今後において果たすべき役割を考え,次世代モデルのヒントを得らえるものと期待しています。

 プログラムは次のとおりです(敬称略)。全部で2時間ほどを予定しています。なお,演題・時間などは変更となる場合があります。

開会挨拶・趣旨説明

図書館利用教育委員会

基調講演 メディア情報リテラシーをめぐる国際的動向

坂本 旬 (法政大学キャリアデザイン学部教授・アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター代表)

活動報告「新しい情報リテラシー教育のガイドライン(枠組み)づくりについて」

野末 俊比古 (図書館利用教育委員会・青山学院大学教育人間科学部教授)

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野末 俊比古 (のずえ としひこ)

勤務先では、図書館長、アカデミックライティングセンター長も務める。

専門分野は図書館情報学・教育情報学、関心領域は情報リテラシー教育。

日本図書館協会図書館利用教育委員会委員長として活動報告を行う。

閉会挨拶



 なお,分科会は,事前録画(映像)の配信によりますが,オンラインのツールを準備して,皆さまからご意⾒をお寄せいただき,コミュニケーションの取れるかたちで進める予定です。

 分科会に関する追加情報は,全国図書館⼤会や図書館利⽤教育委員会のウェブサイトなどにて案内していきます。

 情報リテラシー教育は,図書館にとっては中核的な機能です。館種を問わず,多くの皆さんに本分科会にご参加いただきたいと願っています。

図書館利用教育委員会 : http://www.jla.or.jp/cue/