第8分科会 公共図書館プロジェクト

テーマ「MARC選択の多様性と地元書店納入の可能性」

 活字文化議員連盟の「公共図書館プロジェクト」は、あるべき公共図書館の実現に向かうために、絶えざる改革の重要性を指摘している。その一つがMARC選択の多様性である。国立国会図書館は出版情報登録センター (JPRO) の近刊情報を全国書誌と同じフォーマットで利用できるシステムを整備している。同館が全国書誌目録作成・普及の責務をはたし、社会のニーズに対応するための取り組みである。全国書誌を無償のMARCとして利用する場合の課題を検証する。また、図書納入は地元書店を優先し、装備作業は地域の福祉施設と連携することを提言している。MARC選択と地元書店納入によって、経費削減に直面する図書館と地域経済の活性化、障害者雇用の拡大、税金の域内循環など地域循環型の経済効果に寄与すると考えられる。このような取り組みについて、その可能性と課題について報告する。

基調講演

太田 剛 (図書館と地域をむすぶ協議会)
「活字文化議員連盟『公共図書館Pt』の答申について ~全国書誌と地元書店と地域づくりと」

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太田 剛 (おおた つよし)

図書館と地域をむすぶ協議会チーフディレクター

編集工学機動隊GEAR代表/慶應義塾大学事務局長

1965年茨城県出身。高校理科教員を経て、1990年に編集工学研究所 (松岡 正剛所長)に入社。2012年に暖簾分けして編集工学機動隊GEARを設立。幕別町図書館(北海道)改革を契機に、「図書館と地域をむすぶ協議会」を設立。栃木県茂木町や高知県梼原町、宮崎県椎葉村などで新図書館建設や、既存図書館の改革など、図書館を地域づくりの核として位置づけ,持続可能な地域社会モデルの構築に向けて全国を奔走中。
2019年からは,活字文化議員連盟「公共図書館プロジェクト」事務局長に就任する。

報告

田中 伸哉 (白河市立図書館)
「白河市立図書館の選書と収書」

プロフィール画像「田中 伸哉 (たなか のぶや)」

田中 伸哉 (たなか のぶや)

福島県 白河市立図書館 図書館専門司書

これまでの図書館員人生の中で、図書館未設置自治体の解消、図書館員どうし顔のわかる関係作り、住民に敷居ない新鮮かつ普通の図書館づくり、図書館法設立当時のハートを活かした運営、地域図書館と書店の発展など、課題に向き合いながら現在に至る。当年65歳。

報告

笠原 新太郎 (株式会社 笠原書店)
「図書館への納入~地元書店の取り組みから」

プロフィール写真「笠原 新太郎」

笠原 新太郎

図書館への資料納入が県外の業者に代わってから、20年以上が経過しその間ずっとモヤモヤとしたものを感じていました。3年程前に、そのモヤモヤを何とか解消したいと決断し、書籍取次の協力を得ながら納入体制を整え、同時に地元図書館には粘り強く交渉を続け、昨年度からようやく資料の直接納入に切り替えてもらうことができました。信州の一書店から、多くの書店さんや図書館さんに共感を得てもらえればと願っています。

報告

小林 久美子 (国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課)
「国立国会図書館書誌データの利活用」

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小林 久美子 (こばやし くみこ)

国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課で書誌サービス業務を担当しています。国立国会図書館では、日々たくさんの書誌データ、典拠データなどを作成し、オープンデータとして提供しています。ぜひご活用いただければ幸いです。

報告

輪田 貴寛 (K-Plex Inc)
「図書館システムからみた書誌データ」