第5分科会 専門図書館

テーマ「こどもとおとなの専門図書館 ―地域の資源をどのように提供すべきか」

 今回の分科会 (専門図書館) は、「地域の専門的なリソースをどのように利用・提供しているか」をテーマとし、複数の図書館等からの報告をWebシステムで繋ぎながら進行する予定である。リソースは、情報資源だけにとどまらず人的資源も含むと考え、山梨県を中心に活動している「こどもとおとなの専門図書館」にスポットを当てた。

 まず、こどもの専門図書館では、山梨子ども図書館 (図書館というハードウェアを持たない図書館だが、「日々成長する子どもたちに、適切な本を与えたい」という信念のもとに、子どもの本の専門家を育成しているNPO法人) から、地域の子どもたちに必要な本を効果的に提供できる地域の専門家育成を中心に報告いただく。いわば、地域人材(人的資源)を育てる専門図書館の活動報告である。報告後、東京子ども図書館にバトンタッチし、両図書館の差異を確認しつつ、他の地域でも可能な運営事例として、広く情報提供を行いたい。最後に、甘草屋敷子ども図書館に移り、昔から読みつがれている資料の提供や、子どもと本の出会いの大切さについて報告いただく。同図書館は、甲州市立塩山図書館分館ではあるが、地域の子ども専門図書館ともいえる館である。重要文化財 (旧高野家住宅) の一画に開館しているため、図書館自体の映像も見応えがあるだろう。

 おとなの図書館としては、甲州市立勝沼図書館から報告をいただく。同館は、日本最大のぶどうとワインの資料を持つ公立図書館である。公立図書館ではあるが、地域の産業に特化した専門資料を収集・提供している専門図書館といえよう。地域に密接にかかわる資料を集めて提供するための工夫や手法を報告いただきながら、他の地域での地域専門資料収集と提供、運営のヒントを得られることにも期待したい。また、勝沼図書館近隣のぶどうやワインに関する施設との関係も深く、それらの紹介も計画中である。

 特定の主題資料や情報に特化した図書館を専門図書館と呼ぶならば、地域資料を扱う公共 (公立) 図書館は、地域に特化した小さな専門図書館を内包しているともいえよう。公共 (公立) 図書館の専門図書館化についても思いを巡らしつつ、分科会を開催できればと考えている。様々な館種関係者のみならず、一般の方々のご参加もお待ちしている。

報告

宮崎 さなゑ (NPO法人 山梨子ども図書館)

報告

張替 惠子 (公益財団法人 東京子ども図書館)

小関 知子 (公益財団法人 東京子ども図書館)

報告

藤原 梓 (甲州市立塩山図書館分館・甘草屋敷子ども図書館)

報告

古屋 美智留 (甲州市立勝沼図書館)