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阿刀田館長の部屋

ごあいさつ

 そこに本がいる。机の上に、あるいはベッドサイドに。自分の読む本ならば、これから読む本ならば
  ―楽しませてくれるぞ―  
と期待する。すでに読んだ本ならば、読みかけの本ならば
 ―おもしろいぞ―  と、いとおしい。
 他人が読む本ならば
 ―あの人、こんな本を読んでいるのか―
 と興味がわく。

 本がそこにあること、それが尊い。本は存在そのものが人間に似ている。私たちの心に働きかけてくれるものがある。最初から読み進み、少しずつ理解し、思案を深め、最後に全体を知る。人間とつきあい、理解を深めるのに似ている。つかのまのつきあいではなく、長く知りあい、好意を持つためにも本を手もとに置こう。本を贈ろう。ゆとりがあれば本を買おう。

阿刀田館長写真

 

館長プロフィール

作家、小説家。昭和10年東京生まれ。
早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業後、国立国会図書館で司書として11年間勤務する。図書館勤務中から執筆活動を続け、昭和53年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。
昭和54年『来訪者』で第32回日本推理作家協会賞、同年短編集『ナポレオン狂』で第81回直木賞受賞。平成7年『新トロイア物語』で第29回吉川英治文学賞受賞。
その他、『短編小説のレシピ』『旧約聖書を知っていますか』など著書多数。
最近の著作に『アンブラッセ』(文藝春秋 2015年1月)がある。
平成15年紫綬褒章、平成21年旭日中綬章受章。
平成19年から平成23年まで日本ペンクラブ会長を務める。
平成24年4月に山梨県立図書館館長就任。
平成26年4月に新田次郎記念会理事長就任。