? 昇仙峡にある長潭橋(ながとろばし)が開通した日はいつか。

【回答】

1925(大正14)年12月5日に開通式が行われた。

【調査過程】
■『山梨百科事典』増補改訂(山梨日日新聞社 1989)で「ながとろばし」を検索。「長潭橋」の項目があり、「1925(大正14)年」に「完工」したと記述あり。
■『角川日本地名大辞典』19 山梨県(角川書店 1984)で、「長潭橋」を検索。「大正14年完成」とあるのみ。
■上記資料から県道にある橋であることがわかったので、『山梨県土木部百年の歩み』(山梨県建設技術センター 1983)を確認することにする。第3章「事業と制度の変遷」第3節「大正期」一「道路、橋梁事業」を見ると、「長潭橋(甲府昇仙峡線)」があった。「大正十四年竣功」とあり、開通の日付は記載されていなかった。
■歴史的な橋ということから『山梨県の近代化遺産』(山梨県教育委員会 1997)を見ると、「長潭橋」の項目が掲載されていた。「竣功年 大正14年10月」とあったが、開通日の記載はなかった。
■『甲府市史』別編?W 年表・索引(甲府市役所 1994)で大正14年の年表を見る。12月に「昇仙峡長潭橋完成」となっていた。
■新聞記事に関連情報がないか調べてみる。「山梨日日新聞縮刷版検索」で「長潭橋 大正」をキーワードに検索する。2006年12月5日付の「きょうの歴史」欄に、大正14年に長潭橋の渡り初めが行われたことが記されていた。
■「山梨日日新聞」のマイクロフィルムで大正14年12月5日前後を確認する。12月4日付2面に「明日開通式」という見出しで行事日程等が記され、6日付2面に「御嶽記念式盛況裡に行はる」という開通式開催に関する記事が確認できた。

【キーワード】
■長潭橋■橋■昇仙峡

【参考資料】
◆「山梨日日新聞」1925(大正14)年12月4日
◆「山梨日日新聞」1925(大正14)年12月6日
◆『山梨百科事典』増補改訂(山梨日日新聞社 1989)
◆『角川日本地名大辞典』19 山梨県(角川書店 1984)
◆『山梨県土木部百年の歩み』(山梨県建設技術センター 1983)
◆『山梨県の近代化遺産』(山梨県教育委員会 1997)
◆『甲府市史』別編?W 年表・索引(甲府市役所 1994)

【調査にあたって】
「山梨日日新聞」のほか、当時発行されていた「山梨毎日新聞」「山梨民報」も確認したところ、大正14年12月6日付にそれぞれ記事が見られ、開通式の様子をうかがい知ることができた。開通式とともに、長潭橋渡初式や東宮殿下登臨碑除幕式、御嶽道路竣工記念碑除幕式といった行事も同時に行われていた。

作成日:2007/8/7