? 甲州で結成され、戊辰戦争に参加した断金隊についての資料がほしい。

【回答】

神主、浪士、長百姓らにより構成され、明治元年3月4日、土佐藩が甲州進駐したときに志願、東京市ケ谷の尾張藩上屋敷に入り、断金隊と命名された。4月から9月まで日光・今市・奥州の白河・三春・二本松・会津若松と各地を転戦した。明治2年3月解隊。15歳で参加した下円井村(現・韮崎市)の歌田靱雄による「断金隊出陣日記」、秋山村の萩原源五郎による「陣中日記」が残されている。

【調査過程】
■『山梨百科事典』(山梨日日新聞社 1989)で「断金隊」を検索するが、項目なし。旧版(1972)には「護国隊」で項目あり。
■自館システムの逐次刊行物の内容書名検索で「ダンキンタイ」を検索する。「甲斐路」58号(山梨郷土研究会 1986.11.30)に「断金隊萩原源五郎について」(安留巌著)、同74号(同 1992.8.1)に「断金隊士萩原源五郎陣中日記」(安留巌著)の論文があることがわかる。
■前記の論文中の記述から、『郷土史にかがやく人々』第16集(青少年のための山梨県民会議 1986)で「歌田靱雄」、『韮崎市誌』資料編(韮崎市役所 1979)で「断金隊出陣日記」を見る。
■「K27(歴史・近代)」の分類の書棚に直接当たる。『明治維新と甲斐の勤王』(山梨県神社庁 1971)の中に論文「戊辰戦争前後における国中草莽の活動」(佐藤八郎著)があり、断金隊について記述あり。
■前記の記述から、『山梨県史』第1巻(山梨県立図書館 1958)を見ると、「明治元年 政治部」に「断金隊軍記」ほか記述あり。

【キーワード】
■断金隊■戊辰戦争■歌田靱雄 (ウタダユキオ)■萩原源五郎

【参考資料】
◆『山梨県史』第1巻(山梨県立図書館 1958)
◆「甲斐路」58号(山梨郷土研究会 1986.11.30)
◆「甲斐路」74号(山梨郷土研究会 1992.8.1)
◆『明治維新と甲斐の勤王』(山梨県神社庁 1971)
◆『甲斐史学』第2巻、第3巻(甲斐史学会編 国書刊行会 1982)

【調査にあたって】
今回の調査ではある資料の記述から次の資料へと芋づる式にあたることができた。今回使った『山梨県史』は明治元年から13年までの山梨県の出来事を綴った歴史書で、当館が所蔵している山梨県行政文書(『古文書目録5』参照)に原本がある。

作成日:1996/8/28