【回答】
【調査過程】
■『山梨百科事典』増補改訂(山梨日日新聞社 1989)で「かなかんぶつ」を検索するが、項目なし。
■自館システムの辞書検索で「カナカンブツ」を検索する。図書に『花と人形』(輿石有著 興石妙 1974)、甲州文庫に「おかぶと張子」、「おかぶと木型」の2点の器物資料がある。かなかんぶつは「おかぶと」ともいうことがわかる。
■自館システムの辞書検索で「オカブト」、単語検索で「オカブト」、「カナカンブツ」を検索するが、該当資料なし。
■関係する論文を調べるため、自館システムの逐次刊行物検索の内容書名で「オカブト」、「カナカンブツ」を検索する。「甲斐路」1〜2号(山梨郷土研究会 1961)に上野晴朗著「甲斐おかぶと考」の論文があることがわかる。
■論文から、関連資料として『甲斐の落葉』(山中共古著 郷土研究社 1926)、『綜合郷土研究』(山梨県師範学校 1936)、『甲斐志料集成』12巻(萩原頼平編 甲斐志料刊行会 1935)の「甲斐の手振」「甲州年中行事」があることがわかり、資料にあたる。
■分類K38の書棚をみる。『やまなしの民俗』上巻(上野晴朗著 光風社書店 1973)に「甲斐のおかぶと」の項あり。内容は「甲斐路」の論文と同一であるが、末尾に論文掲載 後のことを記した註があり「甲斐史学」18、19合併号(甲斐史学会 1963)に田畑真一著「甲斐の郷土玩具かなかんぶつについて」があることがわかり、資料にあたる。
■『甲府市史』別編?T「民俗」(甲府市史編さん委員会編 甲府市役所 1988)の「祭りと年中行事」の項をみる。「端午の節句」で若干の記述あり。
【キーワード】
■かなかんぶつ■おかぶと■端午の節句■節句人形
【参考資料】
◆『花と人形』(輿石有著 興石妙 1974)
◆「甲斐路」1〜2号(山梨郷土研究会 1961)
◆『甲斐の落葉』(山中共古著 郷土研究社 1926)
◆『綜合郷土研究』(山梨県師範学校 1936)
◆『甲斐志料集成』12巻(萩原頼平編 甲斐志料刊行会 1935)
◆『やまなしの民俗』上巻(上野晴朗著 光風社書店 1973)
【調査にあたって】
雑誌論文は、論文そのものの記述はもちろん、参考文献の記載が多いことから関連資料を見つける格好の材料となる。『甲斐志料集成』は郷土史家萩原頼平が甲斐国に関する資料を集めて編集したもので、昭和7(1932)年から全12巻で刊行された。同時期に甲斐叢書刊行会から『甲斐叢書』が全12巻で刊行されている。どちらのシリーズも郷土研究に欠かせない基礎史料が翻刻、集大成されており、郷土資料の調査に欠かせないツールである。
作成日:1998/3/25
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