? チョウとガはどこが違うのか。

【回答】

一般的に「チョウ」の特徴として、昼行性・棍棒状の触覚、背中で羽をたたんでとまる、胴が「ガ」に比べ細い、斑紋(羽の模様)が「ガ」より美しい。「ガ」の特徴として夜行性・羽毛状や櫛状の触角、羽を広げたままとまる、などと言われているが、「ガ」に属しても「チョウ」の特徴としてあげた特徴をもつ種がいたり、その逆の種もいる。「チョウ」に昼行性等の特徴にあてはまる種が多い、とは言えるが、生態的特徴から「ガ」と「チョウ」をはっきりと分類することはできない。分類学上「チョウ」と「ガ」はチョウ目(ガ目・鱗翅目ともいう)に属する。チョウ目のうち、「セセリチョウ上科」と「アゲハチョウ上科」に分類される種を「チョウ」、それ以外を「ガ」とみなしている。個々の種は従来の生態面による分類に加え、電子顕微鏡による微細な形態形質やDNAの解析により分類されている。

【調査過程】
■百科事典で「チョウ」「ガ」の項目を調査。「チョウ」の項目に画然と区別することはできないとあった。
■チョウ・ガに関する図鑑・参考書及び専門書で「ガ」と「チョウ」の特徴を調査したが、どの資料にも、特徴から「ガ」と「チョウ」をはっきりと分類はできないと記述している。
■インターネット検索。

【キーワード】
■チョウ■ガ

【参考資料】
◆『原色昆虫大図鑑』?T蝶・蛾篇(北隆館 2007)
◆『完璧版昆虫の写真図鑑』(ジョージ・C・マクカヴァン著 日本ヴォーグ社 2000)
◆『完璧版蝶と蛾の写真図鑑』(デービッド・カーター著 日本ヴォーグ社 1996)
◆『チョウの生物学』(本田計一・加藤義臣著 東京大学出版会 2005)
◆『自然を彩るチョウたち?T』(矢島稔・白木靖美編著 未来文化社 1999)
◆『自然を彩るチョウたち?U』(今井彰・白木靖美著 未来文化社 1999)

【調査にあたって】
以前は、チョウ亜目と蛾亜目に分類されることもあったが、現在は使われていない。分類学上チョウとみなされるのは、チョウ目全体の1割にみたない。日本でも「ガ」の方が圧倒的に多く日本で見られるチョウの数は、「原色昆虫大図鑑」によると330種ぐらいである。気温の温暖化により、近年日本で見ることのできる「チョウ」や「ガ」の種数に大きな変化がある。

作成日:2008/7/30