? 龍の体は何色ですか。

【回答】

龍の体色は五色で、色別に、黄龍、青龍(蒼龍)、赤龍、白龍、黒龍と種類わけできる。これは、五行説の五色によったものである。『十二支巧』によると、『管子』、『隋書』、『南史』に、龍は五つの色を持っていると書かれており、『宋史』には、虹のように分明であったり、とかげのように変化して、黄・青・赤・白・黒の五色が一体となっている場合もあると説明されている。

【調査過程】
■自館システムで、「リュウ」で件名(主題)検索をし、民俗学系の図書『龍の百科』(池上正治著 新潮社 2000)にあたると、「黄龍」、「青龍」についての話が記載されていた。また、「ミャオ族には「龍を迎える」習慣があり、東から青龍、南から赤龍、西から白龍、北から黒龍、中央から黄龍を呼び出す呪文を唱える」という記述もあった。
■さらに、『龍の伝説』(水野拓著 光栄 1996)にあたるが、龍の形態については体の部位ごとに詳しく記載されていたが、体の色についての記載は見つからなかった。
■『龍の起源』(荒俣紘著 紀伊国屋書店 1996)、『龍伝説』(林義勝著 日本放送出版協会 1999)、『龍のファンタジー』(カール・シューカー著 東洋書林 1999)等の図書にもあたるが、記載されていなかった。
■次に、『龍百態』(文人画研究所編 日貿出版社 1987)等の龍の絵画にあたるが、墨絵のようなものがほとんどで、色について判明するようなものは見つからなかった。
■基本に戻り、百科事典類や『幻想動物事典』(草野巧著 新紀元社 1997)にあたるが、体についての説明のみで、色については書かれていない。
■龍(辰)は十二支のひとつであることから、この関係の図書にあたってみる。『十二支攷』第3巻(前尾繁三郎著 前尾繁三郎先生遺稿集出版刊行会 2000)に龍の体色についての記述があった。この図書によると、『管子』水地篇には「竜は水に生じ、五色を被りて泳ぐ。故に神なり」とあると、記載されていたので、『新釈漢文大系』管子(明治書院 1989)にあたり、記述を確認した。

【キーワード】
■龍■体色

【参考資料】
◆『新釈漢文大系』管子(明治書院 1989)
◆『十二支攷』第3巻(前尾繁三郎著 前尾繁三郎先生遺稿集出版刊行会 2000)

【調査にあたって】

作成日:2003/9/21