【回答】
【調査過程】
■依頼者は、着物の着付けの勉強をしており、その試験に出たとのこと。『きもの用語大辞典』(主婦と生活社 1979)を「黒田」で引くが出てこず。
■「黒田」とは「黒田氏」か「黒田藩」か。『国史大辞典』5巻(吉川弘文館 1984)を「黒田氏」で引いてみる「福岡藩主」という記述あり。福岡といえば博多、博多といえば博多織ではないだろうか。
■前掲書第11巻で「博多織」を引いてみる。「紫・赤・黄・紺・青」との記述あり。
■念のため、書庫のほかの資料にもあたってみる。『服装大百科事典』下巻(被服文化協会編 文化出版局 1971)で「博多織」の項目を見る。「献上」の参照項目があり、同上巻のそれを見ると色について同じ記述がある。江戸時代に福岡の黒田藩から幕府に献上された独鈷華皿 の柄の博多帯を「献上」と呼ぶことが分かる。
■『日本史大事典』5巻(平凡社 1993)、『世界大百科事典』22巻(平凡社 1988)にも「博多織」の項目に記述あり。
【キーワード】
■博多織■献上■黒田氏■独鈷華皿(トッコハナザラ)
【参考資料】
◆『国史大辞典』11巻(吉川弘文館 1990)
◆『服装大百科事典』上巻(被服文化協会編 文化出版局 1971)
◆『日本史大事典』5巻(平凡社 1993)
◆『世界大百科事典』22巻(平凡社 1988)
【調査にあたって】
依頼者にも黒田の献上帯=博多織との認識がなかった。「献上」が固有名詞だとは思わなかったので、「黒田」から「博多織」へとたどり着いた。開架の参考図書では「献上」から色の記述が出てこないので、結果的にはよかったと思っている。
作成日:2000/2/20
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