? 郵便局の制服が緑色なのはなぜか知りたい。

【回答】

郵便局の制服が緑色なのは、絶対的な理由があったわけではない。緑・紺・グレーの3候補のなかで、最も人気のあった緑が採用されたのである。

【調査過程】
■現在の制服は確かに緑色だ。が、いまの色に変わったのはそう昔ではなかった気がする。自館システムの辞書(件名)検索で「ユウビン−レキシ」をひく。『郵政百年史資料』(郵政省編 吉川弘文館 1970)では古すぎる。『郵便創業120年の歴史』(郵政省編 ぎょうせい 1991)ではどうか。現在の制服の写真は出てくるが、それについての記述はなく、いつ変更になったのかすら出てこない。『制服の文化史−郵便とファッションと』(小林正義著 ぎょうせい 1982)という一見格好の資料も、現在の制服より前のものしか扱っていない。
■インターネット「Yahoo! Japan」(http://www.yahoo.co.jp/)の検索エンジンで「You Net  ゆうびんホームページ」(http://www.postal.mpt.go.jp/)と「郵政省ホームページ」(http://www.mpt.go.jp/)を見てみるが、このような問いに答えてくれるようなページは発見できず。
■つぎに「goo」(http://www.goo.ne.jp/)で、「郵便局」「制服」の複合検索をして、“ていぱーく(逓信総合博物館)”の「デジタルパーク郵政館」(http:/www.iptp.go.jp/museum/)のなかの「通信と郵便局の歴史」に「制服の移り変わり」のページを発見。「昭和63年(1998)秋から、ブルーとグリーンのミックス調の色でブレザー型のスタイルに一新しました」とあるが、その理由は書かれていなかった。郵政研究所などほかのホームページも覗いてみるが、これ以上の収穫はなかった。
■地元の郵便局にわかることがないか問い合わせてみる。すると、郵政省の下に郵政局があり、そこに尋ねてくれるとのこと。郵政局のユニフォーム課より返答。「昭和63年7月25日に変更され、候補が緑・紺・グレーの3パターンあった。一般も含めたアンケートにより緑に決定した」そうである。

【キーワード】
■郵便局■制服

【参考資料】

【調査にあたって】
解答のないレファレンスである。今回の場合は「解答(理由)がない」ことを説明できたから、「あるはずの解答(理由)」を求めてさらなる迷走をせずに済んだ。“ていぱーく(逓信総合博物館)”は、郵政省・NTT・NHK・KDDの共同運営による日本で唯一の「情報通信関係の総合博物館」。1902(明治35)年に誕生した「郵便博物館」の流れを汲んで、1964(昭和39)年に現在地(東京都千代田区大手町)に開館した。

作成日:2000/3/31