? ドストエフスキー著『大審問官』を所蔵しているか。

【回答】

「大審問官」は『カラマーゾフの兄弟』の第5章第5編にあたる。『ドストエフスキー(文芸読本)』(河出書房新社 1980)に所収、当館所蔵。(『カラマーゾフの兄弟』も岩波文庫などで所蔵あり。)

【調査過程】
■自館システムで「ダイシンモンカン」を書名検索するが、ヒットせず。
■山梨県図書館情報ネットワークシステムで「大審問官」を書名検索するが、ヒットせず。
■『世界文学綜覧シリーズ』5 世界文学個人全集・作品名綜覧(日外アソシエーツ 1987)で「大審問官」を探すが該当なし。『世界文学綜覧シリーズ』2 世界文学全集・作家名綜覧(日外アソシエーツ 1986)の「ドストエフスキー」の項にも該当なし。
■IPAによるパイロット電子図書館システムの総合目録ネットワークデータベースで「大審問官」を書名検索したところ、『ドストエフスキー(文芸読本)』(河出書房新社 1980)や『ドストエフスキー2(キリスト教文学の世界 15)』(主婦の友社 1978)に所収とわかる。
■自館システムで「ブンゲイドクホン」、「ドストエフスキ−」を書名検索したところ、『ドストエフスキー(文芸読本)』を当館で所蔵していることがわかる。
■『ドストエフスキー(文芸読本)』の該当個所を見ると、「大審問官」は『カラマーゾフの兄弟』の第5章第5編に当たることが判明した。(『ドストエフスキー(文芸読本)」には、「大審問官」の部分のみが収録されていた。)

【キーワード】
■フョードル・ミハイロビッチ・ドストエフスキー■大審問官■「カラマーゾフの兄弟」

【参考資料】
◆『ドストエフスキー(文芸読本)』(河出書房新社 1980)
◆『カラマーゾフの兄弟』第2巻(ドストエフスキー作 岩波書店 1970)

【調査にあたって】
当初「大審問官」が一つの作品名だと思ったため、自館システムで検索した。そこでヒットしなかったので、全集の中にあればと思い、内容注記を検索するために山梨県図書館情報ネットワークシステムで漢字形(表示形)による検索をし、『世界文学綜覧シリーズ』をあたったが、該当がなかった。念のため検索したパイロット電子図書館総合目録データベースでヒットした。『ドストエフスキー(文芸読本)』を当館でも所蔵しているにもかかわらず自館システムではヒットしなかったのは、TRCMARCの内容細目ファイルが作成されていなかったため。パイロット電子図書館総合目録データベースでは、東京都立中央図書館所蔵の書誌データに内容注記が入力されていたためヒットした。パイロット電子図書館総合目録データベースは、他県立図書館の蔵書の検索にも利用できるほか、今回のように自館システムを補完する役割もあることがわかり、以後頻繁に利用するようになった。

作成日:1998/1/16