? “ドル”の記号($)の由来を知りたい。

【回答】

ドルの記号は、※中世期に銀で通貨を作ったのでsilverの頭文字、※ラテン語のsolidus(ローマの金貨)の頭文字、※スペインのpesoのPとSを重ねたもの、※スペインのpesoが8realsであることから8のかえ字、※the United States of AmericaのUとSを重ねたもの、など様々な説がある。

【調査過程】
■『世界大百科事典』20巻(平凡社 1988)で「ドル」の項を見る。通貨としてのドルの役割や歴史についての記載はあるが、記号については記載なし。
■『商用単位事典』(篠崎晃雄著 実業之日本社 1974)を見る。「第七章 世界の通貨と国名」の「貨幣の単位名称」の項に「silverの頭字である」と記載あり。
■自館システムで「ドル」を単語検索。『ドルの歴史(NHKブックス21)』(牧野純夫著 日本放送出版協会 1975)という本を所蔵していることがわかる。『ドルの歴史』の「革命とコンチネンタル紙幣」の項に「スペインドルにつながるもの」と記載あり。
■『英語語源辞典』(寺沢芳雄ほか編 研究社 1997)の「dollar」の項に「スペインのpesoが8realsに当たることから、8のかえ字との説が有力」と記載あり。
■『図詳ガッケン・エリア教科事典』16巻 英語(学研 1977)に「ラテン語のsolidus(ローマの金貨)の頭文字に由来するという説や、peso(ペソ)のpとsを重ねたものという説などがある。」と記載あり。
■『小学館全教科学習大百科事典』14巻 英語(小学館 1984)に「the United States of America」のUとSの文字を重ねたものという説、またスペインのドル にちなむという説が記載されていた。

【キーワード】
■ドル■記号■通貨

【参考資料】
◆『商用単位事典』(篠崎晃雄著 実業之日本社 1974)
◆『図詳ガッケン・エリア教科事典』16巻 英語(学研 1977)
◆『英語語源辞典』(寺沢芳雄ほか編 研究社 1997)
◆『ドルの歴史(NHKブックス21)』(牧野純夫著 日本放送出版協会 1975)
◆小学館全教科学習大百科事典』14巻 英語(小学館 1984)

【調査にあたって】
最初は、貨幣単位という視点から探そうとしたが、英語の事典類の方がいいのではないかと気付き、英語の語源事典にあたった。中学生の英語の参考書などに「コラム」とか「豆知識」のような形で触れられているのではないかとも考え、子ども室にある小学生・中学生向けの学習百科事典を見た。由来については諸説あり、特定はできなかった。

作成日:1998/2/18