【回答】
【調査過程】
■「丹波守」とあるので丹波国の国主であろうと見当を付けて『三百藩藩主人名事典』第3巻(新人物往来社 1987)にあたるが、岩井という人物は記載されていない。
■場所も特定せず、時代も広げて、『鎌倉・室町人名事典』(安田元久編 新人物往来社 1985)、『戦国人名事典』(阿部猛編 新人物往来社 1987)、『江戸幕臣人名事典』(熊井保編 新人物往来社 1997)、『幕末維新人名事典』(宮崎十三八 安岡昭男編 新人物往来社 1994)等にあたるが、該当するような記述は見つからない。
■次に、『江戸時代役職事典』改訂新版(川口謙二ほか編 東京美術 1992)にあたるが、役職の説明のみで人物の記述はなかった。
■『江戸幕府役職集成』改訂増補版(笹間良彦著 雄山閣 1976)や『近世武家官位の研究』(橋本政宣編 続群書類従完成会 1999)にあたり、丹波守という官名を持っている人物を調査するが、岩井という人物は見つからない。
■鏡から調査し直すことにし、『国史大辞典』(吉川弘文館 1983)で「柄鏡」について調べると、「江戸時代になると和鏡の主流を占めるようになり、」「柄鏡の出現とともに鏡師の姓名が鏡背文様の傍らに鋳出されることが多くなった」とあった。
■自館システムで「カガミ」で辞書(件名)検索するが、大半が「古鏡」についての資料で、江戸時代頃の鏡について記述されているものはなかった。
■さらに、「ワキョウ」で書名検索してみると、『和鏡の文化史』(青木豊著 刀水書房 1992)に、江戸時代の鏡のことや「天下一」の称号についてなどの詳しい解説が載っていた。また、この図書の件名「カガミーレキシ」で検索すると、『日本人と鏡』(菅谷文則著 同朋舎出版 1991)にも記述があることが判明した。
【キーワード】
■和鏡■柄鏡■鏡師■岩井丹波守正保
【参考資料】
◆『和鏡の文化史』(青木豊著 刀水書房 1992)
◆『日本人と鏡』(菅谷文則著 同朋舎出版 1991)
◆『国史大辞典』3(吉川弘文館 1983)
【調査にあたって】
『国史大辞典』(吉川弘文館 1979〜1997)日本史を対象とする調査では、まず最初にあたる一冊。日本歴史全域はもちろん、人類学、民俗学・民族学、国文学などの調査にも役立ちます。
作成日:2001/5/22
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