? ハインリッヒの法則とはどういうものか。確か医学関係用語であったと思う。

【回答】

ハインリッヒの法則とは、1件の重傷事故の背景には29件の同種の軽傷事故、300件の傷害のない事故が存在するという法則です。この法則は、アメリカの労災保険会社に勤めていたH.W.ハインリッヒ氏が徹底的な追跡調査と統計の上に確立したものです。

【調査過程】
■『世界大百科事典』(平凡社 1988)や『大日本百科事典』(小学館 1970)などの事典類にあたるが、ドイツ国王のハインリッヒについての記載しか見つからない。
■医学用語であるという情報から、『医科学事典』(講談社 1983)や『医学大辞典』(南山堂 1998)等の医学関係の事典類にあたるが、記載はなかった。
■自館システムで「ハインリッヒ」を書名、単語検索をしてみるが該当するような事項は見つからない。辞書(件名)検索をすると、「ハインリッヒ」とつく数人の著者の作品が出てきた。その中の医学に関係する人物の著作にあたるが、該当するような記載は見つからない。
■インターネットで検索してみると、「ハインリッヒの法則」とは、労働災害、工業災害関係の言葉であることが判明した。
■労働災害、工業災害関係の本にあたると、『工業安全』(実教出版 1998)に、この法則についての説明が載っていた。
■もう一度、「H.W.ハインリッヒ」で辞書(件名)検索をしてみると、彼の著作が収められている『産業災害防止論』(海文堂 1982)を所蔵していることが判明した。さらに、医学関係でも使用されているか調査し、『医療事故』(山内桂子 山内隆久著 朝日新聞社 2000)により、この言葉が使用されていることを確認した。

【キーワード】
■ハインリッヒの法則■災害■事故

【参考資料】
◆『工業安全』(実教出版 1998)
◆『産業災害防止論』(海文堂 1982)
◆『医療事故』(山内桂子・山内隆久著 朝日新聞社 2000)
◆『災害事故トラブル解決大百科』(講談社 1982)

【調査にあたって】
*YAHOO!JAPAN(http://www.yahoo.co.jp/)*goo(http://www.goo.ne.jp/)調査に行き詰まったときなどは、検索エンジンにそのまま質問内容を入力してみるのも有効な手だてとなります。

作成日:2001/4/29