? 「戦争花嫁」の意味と、この戦争がどの戦争を指しているのか知りたい。

【回答】

太平洋戦争の終結後、米軍を主として軍人、軍属と国際結婚し、海外に移住した日本人女性を「ウォー・ブライド」または「戦争花嫁」と呼んだ。1946年アメリカへの入国許可の法律「GI婚約者法」ができたため、ほとんどが米国に住み、特にカリフォルニア州に集中した。渡米した花嫁は、4万人を越すと言われている。

【調査過程】
■百科事典、国語事典にあたるが、「戦争花嫁」という項目の記載はなかった。
■「戦争」という言葉から近現代に焦点をあてて調査してみる。『明治ニュース事典』『大正ニュース事典』『昭和ニュース事典』(毎日コミュニケーションズ)や日本近現代史関係の辞典、用語集にあたるが記載なし。
■『日本史大事典』『日本史用語大辞典』『国史大辞典』等の日本史関係の辞書にあたるが該当する記載事項はなかった。しかし、『岩波日本史辞典』(岩波書店 1999)に「戦後、占領軍の軍人・軍属として日本に駐留したアメリカ人と結婚した日本人女性」という記載がみつかった。
■戦争は太平洋戦争のことであると判明したので、さらに「戦後」というキーワードで図書を検索し、『戦後史大事典』(三省堂 1995)にあたってみる。この参考図書には「戦争花嫁」について詳しく説明されていた。また、参考文献として『バンブー・ピープル』下(フランク・F・チューマン著 サイマル出版会 1979)が紹介されていたが、当館では所蔵していなかった。

【キーワード】
■戦争花嫁■太平洋戦争■国際結婚■ウォー・ブライド

【参考資料】
◆『岩波日本史辞典』(岩波書店 1999)
◆『戦後史大事典』(三省堂 1995)

【調査にあたって】
このレファレンスを電話で受けたとき、「聞いたことのあるような言葉だな」という印象があり、辞典類を検索すればすぐに見つかるであろうと思ったのだが、想像以上に時間がかかってしまった。至急回答してほしいという要望だったので、事典に記載されていた事項のみを伝えた。後で『20世紀の歴史』16(平凡社 1990)にあたると、「終戦時には6万のイギリス女性が、戦争花嫁としてアメリカ人の夫について海を渡った」という記述があり、日本人女性だけではないことがわかった。

作成日:2001/1/21