【回答】
【調査過程】
■まずは、自館システムで「ジヨウレイ」を辞書(件名)検索し、『地方自治体新条例集』1999年版(イマジン出版 1999)にあたる。「都市計画」と「環境」の項目に、福島県環境条例、十津川村美しい村づくりに関する条例が載っていた。貸出できる資料ということで、『まちづくり条例』(井上繁著 ぎょうせい 1991)にあたると、実例編に、「湯布院町潤いのある町づくり条例」「尼崎市都市美形成条例」「倉敷市倉敷川畔伝統的建造物群保存地区背景保全条例」「恩納村環境保全条例」が載っていた。
■『政策法学と自治体条例』(阿部泰隆著 信山社出版 1999)にあたるが、条例の短評が載っているのみで、条例は載っていなかった。
■次に「ケイカン」で辞書(件名)検索すると、『環境保全と景観創造』(西村幸夫著 鹿島出版会 1997)の法令索引から、神戸市・函館市・小木町(佐渡)・竹富町(沖縄県)に条例があることが判明する。
■『「五感」性のある景観創造』は、盛岡市の都市景観づくりの20年が書かれていた。
■『都市景観と行政のあり方に関する調査研究』は、名古屋市の景観行政が中心に書かれているが、各都市の都市景観に関する取り組みという章があり、横浜市・神戸市・京都市・札幌市・広島市・北九州市の条例とその解説の記述があった。
■さらに、「トシケイカク」「カンキヨウ」「ナシヨナルトラスト」で辞書(件名)検索してみるが、条例が載っているような書籍は見つからなかった。
■レファレンスデータ検索により、以前の「各自治体でどのような環境条例を出しているか知りたい」という問に回答した『全国環境行政便覧』平成元年版(環境庁編 大蔵省印刷局 1989)を調べると、県ごとの条例規則等の一覧が載っていたが、内容までの記載はなかった。
【キーワード】
■景観■条例■自治体■美観
【参考資料】
◆『「五感」性のある景観創造』(佐藤優著 北土社 1991)
◆『都市景観と行政のあり方に関する調査研究』(中部開発センター 1982)
【調査にあたって】
条例文が載っていて貸出可能な資料を探すとなるとなかなか難しい。山梨県庁においても、各県の条例文は取り寄せてあるそうだが、閲覧は、県庁に出向いて行く必要がある。じっくりと内容を調べたい利用者にとって、館内で閲覧するだけでは不十分といえよう。遠方からの利用者であればなおさらであろう。貸出可能な資料となると一冊に載っている条文は僅かであり、全文が載っているとは限らず、できるだけ多く提供したいという思いとは裏腹な結果になってしまう。調査していてわかったことだが、最近は、「景観」という言葉はあまり使われず、「美の条例」というような言葉が使用されてきている。「景観」という言葉だけではすべてを包括することはできず、大きな意味を持たせ「美」という言葉を使用しているようである。
作成日:2001/1/11
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