【回答】
【調査過程】
■人名事典で「ブローアム,ロード」を探すが記載なし。
■自館システムで「コトノソラネ」を書名検索し、『漱石全集』2巻(夏目漱石著 岩波書店 1994)所収の「琴のそら音」の注解を見ると「ロード・ブローアム Lord Brougham 本名はヘンリー・ピーター・ブルーム Henry Peter Brougham(1778-1868) イギリスの政治家・法律家」などの記載あり。
■『岩波西洋人名辞典・増補版』(岩波書店 1981)を見ると「ブルーム」の項に解説、また主著の記載あり。
■『英米文学事典・第3版』(研究社出版 1985)を見ると「Brougham」の項に「批評・歴史・その他方面の著作は自ら11巻に集めて出版した」などの記載あり。
■インターネットで「文部省学術情報センター」(http://webcat.nacsis.ac.jp/)のホームページを開き、「NACSIS webcat総合目録データベースWWW検索サービス」で「Broughan Henry」および「ブルーム ヘンリー」を検索。著書は原書を確認。
【キーワード】
■「琴のそら音」■夏目漱石■ヘンリー・ピーター・ブルーム
【参考資料】
◆『岩波西洋人名辞典・増補版』(岩波書店 1981)
◆『英米文学事典・第3版』(研究社出版 1985)
【調査にあたって】
依頼者が持参した本には注がなかったため、人名事典からあたったが記載がなかった。架空の人名なのかもしれないと思いつつ、この部分の注があればと思い『漱石全集』(夏目漱石著 岩波書店 1993〜)を見た。岩波書店から出されている『漱石全集』には巻末に注解が付いている。すると、ロード・ブローアムの本名はヘンリー・ピーター・ブルームであることがわかった。「ロード(Lord)」というのは、名字ではなく「〜卿」という敬称なのだが、当初はすっかり名前の一部だと思い込んでいた。また、「Broughan」は「ブルーム」とも「ブローアム」とも日本語表記される。著書の日本語訳については、国立国会図書館による総合目録データベースや翻訳書誌などを使ったが見付けられなかった。
作成日:1998/7/14
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