? 南方熊楠の神社合祀反対の意見書を読みたい。

【回答】

南方熊楠は、明治42年9月から地元新聞「牟礼新報」に神社合祀反対の論文を発表。また大阪朝日新聞社・東京朝日新聞社・大阪毎日新聞社などにもいくつかの原稿を寄せた。その後、柳田国男・松村任三・白井光太郎など中央の学者に応援を頼む手紙を書いた。神社合祀の意見書は、松村任三宛書簡2通(「南方二書」)と白井光太郎宛書簡「神社合祀に関する意見」で、『南方熊楠全集』8巻(南方熊楠著 乾元社 1951)や『南方熊楠コレクション』5巻(南方熊楠著 河出書房新社 1992)に所収。

【調査過程】
■自館システムで「ミナカタ クマグス」を辞書(件名)検索し、『南方熊楠を知る事典』(松井竜五ほか編 講談社 1993)を見ると、「神社合祀反対」の項に、明治42年9月から地元新聞「牟礼新報」に神社合祀反対の論文を発表、また大阪朝日新聞社などにもいくつかの原稿を寄せたこと、その後中央の学者に応援を頼む手紙を書いたことなどがわかる。
■『世界伝記大事典』日本・朝鮮・中国編5巻(ほるぷ出版 1978)の「南方熊楠」の項を見ると、神社合祀について簡単な記述あり。参考書として『南方熊楠』(笠井清著 吉川弘文館 1967)が記載。
■『南方熊楠』を見ると、「神社合祀反対運動」の項があり、意見書については熊楠の松村任三宛神社合祀反対の手紙を柳田国男が『南方二書』と題して自費出版したこと、また、白井光太郎宛書簡「神社合祀に関する意見」があり、前者が生物学上の見地からの反対、後者が主として文化面の被害からの反対であることなどが記載。また、この意見書が『南方熊楠全集』8巻(南方熊楠著 乾元社 1951)や『南方熊楠コレクション』5巻(南方熊楠著 河出書房新社 1992)に収録されていることがわかる。
■これらの資料2点を自館システムで検索し、所蔵が判明。

【キーワード】
■南方熊楠■神社合祀反対■松村任三■白井光太郎

【参考資料】
◆『南方熊楠全集』8巻(南方熊楠著 乾元社 1951)
◆『南方熊楠コレクション』5巻(南方熊楠著 河出書房新社 1992)

【調査にあたって】
『世界伝記大事典』日本・朝鮮・中国編5巻(ほるぷ出版 1978)に参考書として挙げられていた『南方熊楠』(笠井清著 吉川弘文館 1967)は「人物叢書」というシリーズで、目次に記載されている項目の他に、本文の上部にも小さな項目が付されているので、ツールには記載がないような細かい事項を調べるのに都合がよい。ツール以外にも、自分で使いやすいと思われるお気に入りの資料を見付けておくと、また別の機会にも応用することができる。

作成日:1998/8/9