? 漢字を繰り返すときに使う「々」という記号の名前を知りたい。

【回答】

「々」は「踊り字」の1つで、「同(どう)の字点」という名称である。また、「漢字返し」「漢字送り」「ノマ点」「漢くり」「くりかえし」「おなじ」という名称もある。

【調査過程】
■NDC801の参考書架で記号の辞典・便覧を確認すると、『記号・図記号ハンドブック』(片岡徳昌著 日本理工出版会 2003)に、「々」は「同の字点」という名称で、「漢字返し」などの別名称もあるという記載があった。由来は、漢文で使われた二の字点が変化したもの、「同」の異体字「仝」から変化したものともされる。
■国語辞典を検索すると、『広辞苑(第6版)』(新村出編 岩波書店 2008)、『日本国語大辞典』第9巻(小学館編集・発行 2001)などに「同の字点」の項目があった。
■漢和辞典を総画索引から検索すると、『角川大字源』(尾崎雄二郎ほか編 角川書店 1992)、『漢字源』(藤堂明保編 学研 2007)には、「々」の掲載はあるが名称は書かれていなかった。『字通』(白川静著 平凡社 1996)、『大漢語林』(鎌田正著 大修館書店 1992)には掲載がなかった。

【キーワード】
■同の字点■踊り字
■漢字
■記号

【参考資料】
◆ 『記号・図記号ハンドブック』(片岡徳昌著 日本理工出版会 2003)

【調査にあたって】
「々」は、日常なにげなく使っている記号だが、一般に名称は知られていない。名前の分からないものを百科事典や国語辞典等の事辞典類で調べるのは難しいが、「記号」という観点から探すことでスムーズに調査ができた。記号の辞典は、回答に用いた『記号・図記号ハンドブック』以外にも、『記号の事典』(江川清ほか編 三省堂 1985)、『記号学大事典』(坂本百大編集 柏書房 2002)があるが、これらには掲載されていなかった。
また『記号・図記号ハンドブック』によると、「々」は、決まった音をもたないことから、漢字ではなく符号として扱われ、漢和辞典には載っていないこともあるという記述があったので漢和辞典も調査したが、「々」が漢字として掲載があるものでも、名称については記載されていなかった。

作成日:2011/1/21