【回答】
【調査過程】
■依頼者によると「ロカ岬のこの碑については、旅行ガイドに掲載がある」とのことなので、『スペイン・ポルトガル自由自在(改訂8版)』(JTB 1997)、『ポルトガル(改訂版)』(実業之日本社 1997)、『スペイン・ポルトガルの本(改訂版)』(近畿日本ツーリスト 1995)などを見ると、ロカ岬はヨーロッパ大陸の最西端で、記念碑には16世紀のポルトガルの詩人カモンイスの詩「ウズ・ルジアダス」の一節「ここに地終わり、海始まる」が刻まれている旨記載、碑の写真の掲載あり。
■自館システムで「カモンイス」を辞書(人名)検索し、『ウズ・ルジアダス』(ルイス・デ・カモンイス著 岩波書店 1978)を見ると、第3歌第20連に該当部分あり。
■自館システムで「ココニチオワリウミハジマル」を書名検索すると『ここに地終わり、海始まる』 上・下(宮本輝著 講談社 1991)がヒット。内容を見ると、この詩について「オンデ・ア・テラ・セ・アカバ・エ・オ・マール・コメサ」とカタカナ表記の記載あり。
■先に見た旅行ガイドの中で碑の写真が一番鮮明な『スペイン・ポルトガル自由自在』と『ここに地終わり、海始まる』、『現代ポルトガル語辞典』(白水社 1996)をあわせて、ポルトガル語の表記を確定。
【キーワード】
■ルイス・ヴァス・デ・カモンイス■ここに地終わり、海始まる■ロカ岬■詩
【参考資料】
◆『スペイン・ポルトガル自由自在(改訂8版)』(JTB 1997)
◆『ポルトガル(改訂版)』(実業之日本社 1997)
◆『スペイン・ポルトガルの本(改訂版)』(近畿日本ツーリスト 1995)
◆『ウズ・ルジアダス』(ルイス・デ・カモンイス著 岩波書店 1978)
◆『ここに地終わり、海始まる』 上(宮本輝著 講談社 1991)
【調査にあたって】
「ポルトガル語での表記を」ということなので、本来なら「ウズ・ルジアダス」の原書を見るべきなのだろうが、ポルトガル語で書かれた資料は所蔵していないため、それができなかった。「ここに地終わり、海始まる」という言葉はどこかで聞いたことがあり、初めは五木寛之の小説で見たのかと思っていたが、念のため自館システムで書名検索すると、宮本輝の小説のタイトルだった。旅行ガイドを見ると、この碑には詩以外にもいろいろと書かれており、文字の部分も不鮮明だったため、拡大鏡で見てみたが、詩の部分が特定できず表記もはっきりわからなかった。この小説を用い、ポルトガル語辞典で単語を確認しながらなんとかポルトガル語の表記を確定した。
作成日:1998/7/13
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