【回答】
【調査過程】
■「兌換」の意味を国語辞典で調べると「紙幣を正貨と引き換えること。」とあった。
■依頼者が10円紙幣を持っていると言うので、『日本通貨変遷図鑑(覆刻版)』(日本通貨史料協会 1978)を参照。拾円券の頁に「日本銀行兌換銀券」「日本銀行兌換券」「日本銀行券」の3種類載っていて説明もあった。
■日本銀行の開業(1882(明治15)年)と共に兌換券が発行されたとあるので、『図説日本銀行』(財経詳報社 1993)を参考にし、また『円の歴史』(教育社 1979)でも確認した。
■『日本銀行八十年史』(日本銀行史料調査室 1962)には法令の項に「兌換銀行券条例およびその変遷」が掲載されていた。
■『紙幣肖像の歴史』(東京美術 1989)では兌換券の人物についての説明に加え、その当時の製造技術についても記載があった。
■『日本貨幣カタログ 2006』(日本貨幣商協同組合 2005)では兌換券のカラーが確認できた。
【キーワード】
■兌換(ダカン)■日本銀行
【参考資料】
◆『図説日本銀行』(財経詳報社 1993)
◆『円の歴史』(教育社 1979)
◆『紙幣肖像の歴史』(東京美術 1989)
◆『日本銀行八十年史』(日本銀行史料調査室 1962)
◆『日本通貨変遷図鑑(覆刻版)』(日本通貨史料協会 1978)
◆『日本通貨変遷図鑑』(大蔵財務協会 1956)
◆『日本貨幣カタログ 2006』(日本貨幣商協同組合 2005)
【調査にあたって】
現在の管理通貨制度の前身は金本位制度であった。毎日使う「円」であるが、今回円の歴史を調べて大変興味深かった。余談であるが『日本貨幣カタログ 2006』はカラー写真が多く、兌換券もカラーで載っていて今のお札との比較としても参考になるが、売買価格が載っていて、つい見入ってしまうのが難点である。
作成日:2007/6/30
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