? かたくなった餅の食べ方を知りたい。

【回答】

少しかたくなっただけならば、レタスなどの葉野菜で餅を包み、電子レンジにかければやわらかくなるので、野菜ごと食べる。乾きぎみのかたい餅は、バターを塗ったアルミホイルに入れて蒸すと、やわらかくなる。またカチカチになってしまった場合は、餅を1センチほどに小さく割り、4〜5日間天日で乾燥させ油で揚げる。塩や砂糖をまぶしてあられにしたり、汁の実として食べる。乾燥させた餅は缶などに入れて保存し、食べる分だけ揚げるようにする。また、餅を半日ほど水に浸けてから電子レンジで温めたり、弱火でじっくり煮ると柔らかくなる。

【調査過程】
■「餅」「もち」をキーワードに検索する。『日本の食文化大系』19 餅博物誌(古川瑞昌著 東京書房社 1983)などを見るが、民俗学的な内容で、食べ方については記述なし。
■『聞き書ふるさとの家庭料理』5 もち雑煮(農山漁村文化協会 2002)には筆者の体験として、鏡餅を乾燥させて揚げ、すまし汁の揚げ雑煮に仕立てたと記載されている。
■児童図書『もちの絵本』(えがわかずのり編 農山漁村文化協会 2004)に「レタスに包んで電子レンジにかける」「アルミホイルに入れて蒸す」「あられやかきもちにする」とある。もちの水分が38%以下になると、煮てもやわらかくならない、とも記載されている。
■料理雑誌を確認する。餅ならば12月号か1月号で特集が組まれているのではと見当を付け、「NHKきょうの料理」「TANTO」のバックナンバーを確認する。餅を使った料理レシピが中心だが、「TANTO」1998(平成10)年1月号(集英社 1998)には、読者からの投稿に「油で揚げて塩や砂糖をまぶす」とあり、「きょうの料理」2000(平成12)年1月号(日本放送出版協会 2000)には「4〜5日間風にあてて乾燥させて揚げ、塩をふる。干した餅は缶などに入れて保存し、食べる分だけ揚げるとよい」とある。
■「料理」「知恵袋」をキーワードに検索する。『母から伝わる料理の知恵袋』(遠藤きよ子著 家の光協会 1985)には、「かたくならない餅の保存方法」についてのみ記述がある。
■雑誌「暮しの手帖」冬号のバックナンバーを確認するが、餅についての記述はなかった。
■インターネットで「餅」「かたくなった」をキーワードに検索したところ「ひび割れた餅は、しばらく水に漬けておく」「お供えした餅は、水に浸さないと加熱しても餅の表面が中々やわらかくならない」(「ALL About」http://allabout.co.jp/recipe/)、「水とともに(どんぶりなどにいれて)、または湿らせてから水を切って、電子レンジで温める」「水につけたままの状態でレンジにかける。鍋で煮る場合は、弱い火でゆっくり時間をかけて煮る」(「教えて!goo」http://oshiete.goo.ne.jp/)との情報が載っていた。

【キーワード】
■餅■あられ

【参考資料】
◆『聞き書ふるさとの家庭料理』5 もち雑煮(農山漁村文化協会 2002)
◆『もちの絵本』(えがわかずのり編 農山漁村文化協会 2004)
◆「TANTO」1998(平成10)年1月号(集英社 1998)
◆「NHKきょうの料理」2000(平成12)年1月号(日本放送出版協会 2000)
◆『母から伝わる料理の知恵袋』(遠藤きよ子著 家の光協会 1985)

【調査にあたって】
いろいろと資料にあたったが、かたくなった餅の食べ方について最も詳しいのは『もちの絵本』だった。この本は、丸餅と角餅、雑煮の種類、様々な行事と餅の関係といった民俗学的な内容から料理レシピまで、わかりやすくまとめられている。巻末にはさらに詳しい内容が文章のみで解説されており、この一冊で餅についてかなりの知識を得ることができる。「つくってあそぼう」や「そだててあそぼう」のシリーズは、図や絵が多く説明が解りやすいので、大人の質問にも十分活用できる。

作成日:2008/1/31