? 子どもの頃読んだ、田舎のねずみと町のねずみの物語を、英語と日本語で読みたい。また、何を言おうとしているのか知りたい。(母親)

【回答】

『いなかのねずみととかいのねずみ』(イソップ作 小野ルミ文 金の星社 1986)、『いなかのねずみとまちのねずみ』(アイソポス作 箕浦万里子訳 偕成社 1991)、『町のねずみといなかのねずみ』(ヘレン・クレイグ再話・絵 清水奈緒子訳 セーラ出版 1994)、『まちのねずみといなかのねずみ』(中谷千代子文絵 講談社 1970)がある。また、英語の本では『いなかのねずみとまちのねずみ−The country mouse and the city mouse−』(イソップ原作 アスク 1998)がある。この『いなかのねずみとまちのねずみ』はイソップの寓話のなかでも、最も愛され親しまれている話で、ねずみの持つ愛嬌のあるイメージを通して、野ねずみと家ねずみを対比させ、鋭く人生をかいまみせている。

【調査過程】
■自館システムで「イナカノネズミ」を書名検索すると『いなかのねずみととかいのねずみ』(イソップ作 小野ルミ文 金の星社 1986)、『いなかのねずみとまちのねずみ』(アイソポス作 箕浦万里子訳 偕成社 1991)、英語の本では『いなかのねずみとまちのねずみ−The country mouse and the city mouse−』(イソップ原作 アスク 1998)がある。
■原作がイソップなので、自館システムで「イソップ」を辞書(人名)検索すると、イソップ寓話集がたくさんでてくる。その中で利用者の求めているものと思われる『町のねずみといなかのねずみ』(ヘレン・クレイグ再話・絵 清水奈緒子訳 セーラ出版 1994)、『まちのねずみといなかのねずみ』(中谷千代子文・絵 講談社 1970)も併せて紹介する。
■ 内容については、作家イソップについて調べた方が良いと判断し、『児童文学事典』(日本児童文学学会編 東京書籍 1988)、『世界児童文学案内』(神宮輝夫著 理論社 1980)、『伝記人物事典』世界編(西山敏夫ほか共著 保育社 1978)を調べる。

【キーワード】
■「いなかのねずみとまちのねずみ」■イソップ■童話

【参考資料】
◆『いなかのねずみととかいのねずみ』(イソップ作 小野ルミ文 金の星社 1986)
◆『いなかのねずみとまちのねずみ』(アイソポス作 箕浦万里子訳 偕成社 1991)
◆『町のねずみといなかのねずみ』(ヘレン・クレイグ再話・絵 清水奈緒子訳 セーラ出版 1994)
◆『まちのねずみといなかのねずみ』(中谷千代子文絵 講談社 1970)
◆ 『いなかのねずみとまちのねずみ−The country mouse and the city mouse−』(イソップ原作 アスク 1998)

【調査にあたって】
イソップについては、あまりにも有名なことと、短い寓話が多いことは知られていても、不確かなことが多い。動物寓話が中心で、その素材は神・人間・植物・無生物にも及んでいる。多くが単純明快な論理で貫かれ、寓意は明白、人物たちも鮮やかで、着想の面白さを伴いつつ、生活上のモラルを説いている。「イソップ寓話集」はイソップの語った寓話のみで成立しているのではない。むしろ別人の作であった寓話を次々と吸収しつつ集成に向かったものと思われる。版によって異なるが、現在の収録数は約400編といわれ、我が国での最初の移入は、1593年、天草の耶蘇会学林からでたローマ字本『イソポのハプラス』である。もともと大人のための短い寓話であったようだが、現在は子ども向けに書かれている。動物・植物・自然に目を向けることにより底に流れている真意を読みとってほしい。

作成日:2000/3/31