【回答】
【調査過程】
■『児童文学事典』(日本児童文学学会編 東京書籍 1988)の索引で「たきび」を引くと「巽聖火」の項に解説あり。「戦時下につくられたが、リズミカルな作品で戦後に開花した真に子どもが喜ぶ歌の先駆を成す」などの記述あり。
■『児童文学大事典』1巻(大阪国際児童文学館編 大日本図書 1993)で「巽聖火」の項を見ると、経歴や参考文献の記載があるが、エピソードについては記載なし。
■『児童文学大事典』にあった参考文献を自館システムで確認すると、「日本児童文学」(日本児童文学者協会)1973年8月号を所蔵している。特集「巽聖火追悼」の記事を見るが該当なし。
■童謡についての一般書をあたる。『唱歌・童謡ものがたり』(読売新聞社文化部 岩波書店 1999)の「たきび」の項には、作曲者の渡辺茂さんを取材して書かれたこの歌に関するエピソードの記述があるが、巽聖火は既に没していたため、作詞に関するエピソードについては記載なし。
■インターネットの検索エンジン「goo」(http://www.goo.ne.jp/)で「巽聖火 たきび」を検索すると、「中野区ホームページ」(http://www.city.nakano.tokyo.jp/)がヒット。聖火が「たきび」のうたの詩情をわかせたという“童謡「たきび」のうた発祥の地”の紹介あり。
【キーワード】
■「たきび」■童謡■巽聖火(タツミセイカ)■歌詞
【参考資料】
【調査にあたって】
図書資料からは回答が見付けられず、インターネットの検索エンジンを使ったところ、東京都中野区のホームページがヒットした。図書資料による裏付けをとるため、東京都に関する観光や地理、文学散歩などの資料にあたったが、やはり所蔵資料からは見付けられなかった。しかし公式サイトによる情報だったため、これを回答資料とした。「たきび」は小学校で誰もが習うなつかしい歌だが、『唱歌・童謡ものがたり』には、この歌が発表されたのが太平洋戦争開始のときだったため、「たきびは敵機の攻撃目標になる」「落ち葉も貴重な燃料のうちだ」などと軍部からクレームが付き、また戦後も消防署から「街角でのたき火は困る」と言われ、教科書のイラストには水の入ったバケツと付き添いの大人が描かれた、などの思いがけないエピソードも紹介されていた。
作成日:2000/12/8
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